摩利支天岳(まりしてんだけ)は岐阜県と長野県にあり、乗鞍23峰に選定されている名山のひとつです。摩利支天岳の山頂までは、一般の人は立ち入り禁止のため、山頂へは登ることは出来ません。今回は摩利支天岳を安心して登山できるスタンダードコースを紹介します。
摩利支天岳の基本情報と魅力
摩利支天岳は、岐阜県にある標高2,872mの山で、山域は乗鞍岳周辺に定められており、乗鞍23峰に選定。円空上人が、江戸時代前期の天和3年(1683年)に岐阜県側の平湯から登り、摩利支天岳と魔王岳を開山したと伝えられています。
摩利支天岳の山頂には「乗鞍コロナ観測所」が昭和24年(1943年)に造られましたが、老朽化のため2010年3月31日をもって天体観測所としては閉鎖されました。現在は、「自然科学研究機構乗鞍観測所」として再利用されています。
摩利支天岳の山頂までは、一般の人は立ち入り禁止のため、山頂へは登ることは出来ません。乗鞍23峰に選定されている多くの峰は火山活動により、登山規制が行われ立ち入りが禁止されています。乗鞍岳へ一般の方が登る時期は、6月下旬から10月初旬までです。おすすめな時期は、7月から8月のお盆の時期。 特に梅雨明けの7月中旬から下旬の時期は、高山植物が咲き誇ってくるため一番最適な季節です。
山の名前 | 摩利支天岳(まりしてんだけ) |
標高 | 2,872m |
エリア | 北アルプス |
詳細情報 | 摩利支岳の地図・天気 |
魅力その①ハイキング感覚で楽しめる
乗鞍岳は、23の峰と7つの湖、8つの平原からなり、3,000m級の登山を比較的に簡単に挑戦できる岳人入門の山として人気です。摩利支天岳は、23の峰のひとつ。その高さは様々な景色を見せ、訪れた登山者を魅了します。体力に自信のない方も、挑戦できるのも魅力です。
魅力その②素晴らしい景色
北アルプスの他の山々から少し離れた位置にあるため、さまざまな景色を味わうことができます。その眺めは素晴らしく、春の雪壁、夏の新緑、秋の紅葉などの四季折々の美しさ、快晴の青空、雲海、真夏でも涼しい気候など、その姿は変化。何度来ても違う景色を見せてくれます。
魅力その③かわいい花々やライチョウに逢える
高山植物も数多く生息しているため、いろいろな花を見ることができます。
黄色いミヤマキンバイやクロユリ、ハクサンイチゲ、有名なコマクサなどの高山植物たちと出会えるでしょう。加えて、ライチョウと会えるのも魅力です。
摩利支天岳の難易度別おすすめ登山コース
登山口の畳平駐車場からスタートするコースと長野県「鹿ノ瀬駅」からのロープウエイを利用して登山できるスタンダードコースです。初心者の方でも安心して登山できます。
乗鞍岳コース
北アルプスなど山並みが確認でき素晴らしい景色を見ることができます。自然の美しさを満喫できます。
ルート紹介
乗鞍岳山頂(畳平)バス停→(13分)→魔王岳→(63分)→立入禁止区域→(3分)→摩利子天岳→(18分)→肩ノ小屋→(17分)→朝日岳→(1分)→蚕玉岳→()→頂上小屋→乗鞍岳→(14分)→肩ノ小屋→(14分)→富士見岳→(14分)→大黒岳→(17分)→乗鞍岳山頂(畳平)バス停
片道距離 | 4.9km |
累積標高 | 上り:約685m下り:約684m |
片道コースタイム | 約6時間7分 |
休憩時間 | 約111分 |
難易度 | 難易度★★☆☆☆ |
御岳ロープウェイコース
御嶽山の七合目へ通じるロープウェイ山頂駅からの登山ルートです。
山麓の「鹿ノ瀬駅」へは「木曽福島駅」からバスで約1時間。車の場合は、この山麓ロープウェイ駅に大型の駐車場や売店、レストランがあります。
駐車場 | 約1,500台収容 |
料金 | 無料 |
トイレ・飲料水 | あり |
「飯森高原駅」にもレストランやトイレ、野草やコマクサが楽しめる庭園があります。
ルート紹介
飯森高原駅→(5分)→一の又小屋→(41分)→女人堂→(49分)→石室山荘→(25分)→御嶽山(剣ヶ峰)→御嶽山(三角点)→(18分)→二ノ池山荘→(1分)→二の池ヒュッテ→(16分)→白竜避難小屋→(6分)→摩利支天乗越→(7分)→摩利支天山(摩利支天岳)→(30分)→白竜避難小屋→(16分)→二ノ池山荘→(19分)→石室山荘→(27分)→女人堂→(29分)→一の又小屋→(6分)→飯森高原駅
片道距離 | 5.45km |
累積標高 | 上り:約1,192m下り:約1,186m |
片道コースタイム | 約6時間56分 |
休憩時間 | - |
難易度 | 難易度★★☆☆☆ |
摩利支天岳のQ&A
摩利支天岳のトイレは?
登山口になる畳平(たたみだいら)駐車場内に公衆トイレが2ヵ所設置されており、無料で利用できます。登山ルートにあるトイレとしては、畳平駐車場から、剣ヶ峰方面へ進み、歩いて30分程の場所にある山小屋に有料トイレが設置してあります。
摩利支天岳に立ち入り禁止区域があるの?
摩利支天岳の山頂までは観測所管理用の道路がありますが、一般の人は立ち入り禁止のため、摩利支天岳の山頂へ登ることは出来ません。
摩利支天岳登山口へのアクセス・各種情報
摩利支天岳は23峰からなる乗鞍岳のひとつです。乗鞍岳への登山口として、乗鞍エコーライン・乗鞍スカイラインの終点となる畳平バスターミナルがあります。
乗鞍エコーライン・乗鞍スカイラインとも、冬期閉鎖期間以外はマイカー規制があるため、一般車は通年に渡り通行できません
長野県側のエコーラインは4月下旬から部分開通、7月より全線開通。乗鞍高原(鈴蘭地区)の駐車場に停めてシャトルバスかタクシーを利用して畳平に移動します。
岐阜県側のスカイラインは5月15日に開通。ほおのき平駐車場又はあかんだな駐車場に車を停めて平湯バスターミナルからシャトルバスかタクシーを利用して畳平に移動します。
畳平には、観光案内所やレストラン、売店、宿泊施設が並び、営業期間は5月15日から10月末までとなります。
畳平駐車場
駐車場名 | 乗鞍畳平バスターミナル・鶴ヶ池駐車場 |
駐車台数 | 0台 |
駐車料金 | タクシー2,080円 |
住所 | 〒506-2254 岐阜県高山市丹生川町岩井谷1223 緯度経度 36.124817 137.553841 |
ダート路 | なし |
トイレ | あり |
主要登山ルート | 乗鞍岳・剣ヶ峰(往復所要時間:2時間40分) 魔王岳(往復所要時間:0時間25分) 大黒岳(往復所要時間:0時間35分) 富士見岳(往復所要時間:0時間45分) 摩利支天岳(往復所要時間:1時間25分) |
2023年度 乗鞍畳平方面シャトルバス時刻表
※2022年9月の豪雨災害により乗鞍スカイラインは道路が崩落したため、開通未定です。
摩利支天岳周辺のおすすめスポット
乗鞍コロナ観測所
日本アルプス乗鞍岳の摩利支天岳山頂の海抜2,876mに位置している国立天文台附属の観測施設です。
昭和24年(1949年)創設され、口径10cmと25cmのコロナグラフが設置。皆既日食時以外でもコロナの輝線観測をすることができます。また、彩層、スピキュール、プロミネンス、フレアなど太陽に関する貴重なデータを取得。2010年にその役目を終えて、閉所しています。
観測所管理用の道路がありますが、一般の人は立ち入り禁止のため、摩利支天岳の山頂にある乗鞍コロナ観測所まで行くことは出来ません。
銀嶺荘
銀嶺荘(ぎんれいそう)は乗鞍登山ベースの標高2,702mの畳平にあり、1階はお土産売り場2階は食堂と客室となっています。トイレはありますが有料です。
TEL:0577-62-8607(予約専用) ※当日確認用電話:080-6926-3145
公式サイト:http://norikura-ginreiso.com/
営業予定期間:5月15日~10月31日(宿泊は6月中旬~10月中旬)
乗鞍白雲荘
乗鞍バスターミナルのある鶴ヶ池駐車場に隣接されている乗鞍白雲荘です。人気のウッドデッキからは鶴ヶ池と大黒岳~冨士見岳の美しい稜線が望めます、非日常のひとときを楽しむことができるでしょう。
TEL:090-3480-3136(予約受付)
公式サイト:https://norikura-hakuunso.jimdo.com/
営業予定期間:6月中旬~10月中旬(気候により変動有)