NEMOホーネットエリートオズモ1Pはダブルウォールの山岳用テントで657gと驚くような軽さで、今最も注目されているテントと言っても過言ではありません。しかしながら実際に使っている人はまだ少なく、購入を迷っている方も多いのではないでしょうか?そこで今回は実際にNEMOホーネットエリートオズモ1Pを持って北アルプスでテント泊をしてきました。今回は実際に使用した感想を踏まえてスペックや特徴などをレビューしていきます。
製品概要
ブランド | NEMO |
商品名 | ホーネットエリートオズモ1P |
商品説明 | ホーネット オズモ™は軽量なシェルターでありながら広々とした居住スペースと快適さを求めるハイカーのための理想的なチョイスです。 |
価格(税込) | ¥70,400 |
最小重量 | 657g |
本体素材 | 15Dナイロン/メッシュ |
管理人の評価レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★☆ |
軽量性 | ★★★★★ |
コンパクト性 | ★★★★★ |
耐久性 | ★★★★☆ |
NEMOホーネットエリートオズモ1Pのスペック
まずはじめにNEMOホーネットエリートオズモ1Pのスペックから紹介します。
最小重量657gで、山岳用ダブルウォールテントの中では圧倒的な軽さを誇ります。最小重量とはインナーテント、フライシート、ポールを合わせた重量でスタッフバッグやガイライン、ペグの重量は含まれていません。NEMOのペグは1個16gでとても軽いとは言えないので、より軽量なペグに変えることも装備軽量化の一考です。
本体素材は15デニールのナイロンをフロアとバスタブに使用しています。それ以外は白いメッシュ素材で軽量かつ通気性に優れています。
フライシートはNEMOが開発したオズモファブリックの中でも最も軽量なモデルを使用しています。この素材は雨や結露で濡れてもすぐに乾くこと、また撥水性能が非常に高く雨をしっかり弾く特徴があります(撥水性は通常のナイロンと比較して4倍長持ちする)。だから水分を含んで重くなりにくい登山装備の軽量化に力を注いだ素材を採用しています。また、生地が濡れると弛みがちだけど、伸縮性が3分の1に抑えられ弛みにくいので、悪天候時の耐候性に優れています。
ポールはDACのフェザーライトNFL(NFLはNSLと比べると軽い)という軽量性と柔軟性に優れたポールです。
フロアのサイズは足元の横幅が81cm、頭が来る部分の横幅が102cm、長さが221cm、高さが最も高いところで99cmと大きな体格の男性が横になっても周りに荷物を置けるスペースが確保される一人用テントです。
前室は奥行き58cmあり、テント泊登山で使用する大きなザックを置いておけるスペースが確保されています。
コンパクト性と考えられたスタッフバッグ
フライトインナーテントを収納するスタッフバッグはロールトップ型を採用しています。だから結露や雨で濡れたテントをスタッフバッグに収納したあとザックにパッキングしても、ザックの中にある他のものが濡れづらいです。
またスタッフバッグの開口部分が広く作られているので、素早く設営と撤収ができ、悪天候時における対応にリスクが少なくストレスを感じることが少ないです。
ポールバッグはDACとNEMO共同で開発された100%Repreve®リサイクル素材が使用されています。ドローコードやコードロックが一切ないバッグで、ここにも軽量化と使い勝手の良さが反映されています。
テントの設営方法
NEMOホーネットエリートオズモ1Pは吊り下げ式テントなので、インナーテントを地面に広げたらまず初めに四隅をペグダウンします。
その後にテントポールを組み立てインナーテントの決められた場所にポールの先端を固定させます。この時ボールの色とインナーテント側の色が同色なので、直感的に設営することが可能です。
その後インナーテントをポールに吊り下げて、フライシートをかけ、必要な場所にペグダウンをしたら完成です。
必要最低限の面積でテントを設営できるので、狭いテント場でも柔軟に対応できるのも嬉しいポイントです。
居住空間と過ごしやすさ
NEMOホーネットエリートオズモ1Pの出入り口は長辺に設けられています。長辺の半分にU字型のダブルジッパーが設けられていて、これを開閉することでインナーテントの出入りが可能です。
開いた時にドア部分の生地をまとめておくことができる新開発のゲートキーパーがとても使いやすく、風に煽られても緩みづらいデザインです。
NEMOホーネットエリートオズモ1Pは吊り下げ式テントです。スリーブ式と比較するとどうしてもインナーテント内の空間が狭くなりがちですが、NEMO独自のクリップがインナーテントの最も高いところに設けられ、天井部分を広げることができます。なので吊り下げ式テントだけれども居住空間が広く、テント内で過ごしやすく設計されています。
横幅50cm、長さ180cmのテントマットを敷いても、縦横に空間があり、荷物を置いておくことができる広さです。
インナーテント内に設けられたポケットは全部で2つ。1つは出入り口の横に設けられたギアポケットで、スマホやサングラスを収納しておけます。
もう一つは天井に設けられたポケットで、ここにヘッドライトを入れることで室内を明るく照らしてくれます。
天井部分にはループが4つと、スナップボタンが付いたストラップが設けられ、ループに細引きを通すことで、ギア類を乾燥させることができます。スナップボタン付きのストラップは様々な使い方ができます。
三角形のガイアウトポイントで足先部分のサイドウォールが立ち上がり、シュラフの濡れと冷気の侵入を防ぎ、サイドはフライシートとインナーテントをガイラインで連結して内部空間を広げることができるので、シュラフとインナーテントが設置されづらく結露による濡れ、インナーテントにシュラフが当たることによる冷たさを感じづらい広い空間が確保されています。
北アルプスでのテント泊レビュー
実際にNEMOホーネットエリートオズモ1Pを使って大天荘のテント場で就寝しましたが、強い風が吹くとインナーテント内に冷気が侵入してきます。通気性が高いことで熱い季節におけるテント泊はとても気持ちよく過ごすことができますし、結露も生じにくいメリットがありますが、気温が低くなるとシュラフの温度域、ダウンジャケットやダウンパンツの併用など防寒対策をしっかりしないと、寒くて途中目が覚めてしまうことも懸念材料に入れる必要があります。
より風の侵入を防いだテントになるとメッシュ部分が少なくなり、フライシートの面積も大きくなることから、どうしても重量が重くなります。
自分がテント泊登山に行く季節と場所をしっかり考えて、NEMOホーネットエリートオズモを使用すれば、登山装備の軽量化という意味で大きな武器になると思います。