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【日帰り登山】 奥多摩山域にある花の百名山!生藤山の難易度別ルート紹介

【日帰り登山】 奥多摩山域にある花の百名山!生藤山の難易度別ルート紹介

生藤山(しょうとうざん)は、東京都西多摩郡檜原村と神奈川県相模原市にまたがる標高990mの山で、奥多摩山域の南端、神奈川県最北端に位置しています。関東百名山、花の百名山に選定されており、多摩百山、藤野町十五名山の1つでもあります。

生藤山は自然を楽しむ日帰りハイキングに最適な山ですが、他山との縦走となるため健脚の方におすすめします。

生藤山の基本情報と魅力

出典:藤野観光協会公式サイト

生藤山は、山頂に向かう登山道に桜の花が多いことで知られる山です。神奈川県と東京都の2国国境にあり、昔は国境にある木は切ってはいけない決まりがあったため「切り止め山」と呼ばれていました。それが「きっと山」「きっとう山(生藤山)」と変化し、「しょうとうさん」と呼ばれるようになったといわれています。

生藤山登山は、桜やミツバツツジの花が咲く春や新緑の頃、紅葉の美しい秋、積雪のあまり多くない冬と年間を通じて楽しめますが、最も登山者が多いのはやはり可憐な山の花が咲く春です。

登山道にある「生藤山 桜のプロムナード」の桜は現在テングス病にむしばまれ、花が咲かない状態が続いていますが、その他の場所にある山桜やソメイヨシノ、ミツバツツジの花などは、この山を訪れるハイカーを魅了しています。

また、生藤山登山道のある一帯には古き良き日本の里山風景が残り、この地域を散策するのも見どころの1つといえるでしょう。

山の名前生藤山(しょうとうざん)
標高990m
都道府県東京都
エリア関東
山域奥多摩
地図・天気など詳細情報

魅力その①:昔なつかしい里山の風景が楽しめる

登山道のある佐野川地区は、にほんの里100選にも選ばれた、古き良き里山の風景が残る地域です。特に新緑の頃は急斜面に広がる茶畑が清々しく、風に泳ぐたくさんのこいのぼりや、地区に点在する古民家や土蔵とともに、訪れる人たちを懐かしい気分にさせてくれます。

魅力その②: 甘草水という伝説の湧水がある

登山道途中にある桜並木の近くには、「甘草水」と呼ばれる清水が湧き出ています。この湧水には昔、日本武尊が東征の際に水がなくて困っていたところ、鉾で岩を打つとこんこんと清水が湧いてきたという伝説があり、登山者を楽しませてくれます(注:飲用はできません)。

魅力その③: 体力に応じた登山コースが選べる

生藤山登山は他山との縦走になり、ハイカーのスキルや体力に応じて縦走路を短くしたり長く伸ばしたりできるのが魅力です。いくつかある登山コースの中から自分に合ったコースを選びましょう。

生藤山の難易度別おすすめ登山コース

生藤山の登山ルートはいろいろありますが、ここではその中から3つ紹介します。

【里山や花の風景に癒される】三国山・生藤山・茅丸・連行峰縦走コース

生藤山登山のスタンダードコース。急登、急坂の下りがありますが、案外平らな道もあり、全体的に歩きやすいコースです。標識がしっかりしているため道迷いの可能性が低く、初級者におすすめです。

ルート紹介

鎌沢入口バス停→(1時間)→三国山・生藤山登山口→(25分)→軍刀利神社→(10分)→佐野川峠→(1時間)→三国山→(5分)→生藤山→(20分)→茅丸→(20分)→連行峰→(30分)→山ノ神分岐(1時間10分)→和田登山口→(10分)→和田バス停

※休憩時間:約1時間45分

必要日数日帰り
総距離8.3㎞
コースタイム4時間59分
累積標高上り:837m 、下り:771m
難易度★★☆☆☆

詳細レポート

鎌沢入口バス停から駐車場を通過し、急な坂道を上っていくと、のどかな集落が広がり、茶畑の中に県立鎌沢休憩所があります。東屋とトイレがあるので利用しましょう。

民家の横から山道へ入っていき、鳥居を過ぎると山梨県の石楯尾神社からのルートと合流する佐野川分岐に出ます。さらに登っていくと、甘草水のある桜並木を経て山梨・神奈川・東京の境界に位置する三国山へ。三国山から200mほどで生藤山山頂に到着します。

生藤山山頂から岩場と急坂の下りを経て、このコースの最高地点である茅丸へ。天気が良ければ富士山も見えるビュースポットです。

茅丸から連行峰を経て緩やかに下っていくと、醍醐丸との分岐(山ノ神分岐)に出るので右下の急坂を降りていきます。1軒だけある民家を通過し、沢沿いの道を下っていくと和田峠からの県道に出るので和田バス停へと向かいます。

駐車場

県立鎌沢駐車場を利用します。トイレ等の設備はありませんが、手前の和田バス停付近と、駐車場から先、道なりに進んだところにある県立鎌沢休憩所にトイレがあります。

  • 収容台数:10台
  • 料金:無料
  • 時間:規定なし
  • 標高:390m
  • トイレ:なし
  • 登山ポスト:なし
  • 自販機:なし

【縦走の醍醐味が味わえる】生藤山~陣馬山周回コース

上述した生藤山登山のスタンダードコースに、足を延ばして人気の陣馬山登山を加えた周回コース。たっぷり歩いてピークハントができるため縦走好きな方におすすめです。

ルート紹介

三国山・生藤山登山口→(25分)→軍刀利神社→(10分)→佐野川峠→(1時間)→三国山→(5分)→生藤山→(20分)→茅丸→(20分)→連行峰→(35分)→大蔵里山(10分)→大倉里山(東峰)→(15分)→醍醐丸→(10分)→醍醐峠→(10分)→高岩山→(15分)→和田峠→(30分)→陣馬山→(45分)→和田尾根登山口→(10分)→和田登山口→(10分)→和田バス停→(10分)→鎌沢入口バス停

※休憩時間:約50分

必要日数日帰り
総距離13.5㎞
コースタイム5時間53分
累積標高上り:1160m 、下り:1160m
難易度★★★☆☆

詳細レポート

スタートから連行峰、その先の醍醐丸との分岐までは先に紹介したルートと同じです。分岐で下らずに醍醐丸に向かって歩いていきます。醍醐丸から和田峠まで下りてきたら、最後の一山、陣馬山に向かって長い階段を登ります。陣馬山山頂は大変広く、茶屋やトイレもあって360度の眺望が見事。白い馬のモニュメントが印象的です。

山頂からは標識に従って和田バス停に向かって下りていきます。

駐車場

駐車場は先に紹介した県立鎌沢駐車場を利用します。あるいは和田峠にある峠の茶屋の駐車場を利用してもいいでしょう。陣馬山登山に最適な駐車場ですが、ここから生藤山へ向かう鎌沢の登山口まで歩いていくこともできます。

和田峠の駐車場は圏央道八王子西ICから西へ約13㎞、八王子と相模原をつなぐ陣馬街道上にあります。八王子側の道は狭いため運転に注意してください。

  • 収容台数:55台
  • 料金:普通車800円(年末年始は1,000円)、バイク500円、自転車200円
  • 9時から17時まで。時間外に駐車する場合は車のナンバーを書いた紙と料金をポストに入れてください。
  • 標高:690m
  • トイレ:あり
  • 登山ポスト:あり
  • 自販機:茶屋に飲み物があります

【富士山の眺望が楽しめる】浅間峠・熊倉山・生藤山・連行峰・醍醐丸縦走コース

東京都の檜原村から入り、浅間峠から笹尾根を歩くコース。関東ふれあいの道
「富士見の道」を行くため、登山中は富士山の眺望が楽しめます。笹尾根はアップダウンも距離もあるため中級以上の方におすすめです。

なお、このコースでは連行峰から醍醐丸を経て和田峠へ向かいますが、連行峰の分岐を左に折れ、檜原村の柏木野へ下ることもできます。

ルート紹介

上川乗登山口→(1時間20分)→浅間峠→(10分)→栗坂峠→(35分)→坊主山→(25分)→熊倉山→(10分)→軍荼利山→(5分)→軍刀利山→(15分)→三国山→(5分)→生藤山→(20分)→茅丸→(20分)→連行峰→(35分)→大倉里山→(10分)→大倉里山(東峰)→(15分)→醍醐丸→(10分)→醍醐峠→(10分)→高岩山→(15分)→和田峠→(1時間)→陣馬新道登山口→(25分)→陣馬高原下バス停

※休憩時間:約13分

必要日数日帰り
総距離13.9㎞
コースタイム6時間33分
累積標高上り:1.200m 、下り:1,276m
難易度★★★☆☆

詳細レポート

登山口から北橋を渡り、せせらぎを聞きながら急坂を上ると尾根道に出ます。さらに樹林帯の緩やかな道を上っていくと浅間峠に到着。東屋やベンチがあるので休憩できます。

出典:檜原村観光協会公式サイト

浅間峠からコース最高地点の茅丸まではアップダウンを繰り返していきます。コース途中や茅丸山頂からは富士山が望めます。

出典:檜原村観光協会公式サイト

醍醐丸までは登りが続きますが、醍醐丸から和田峠までは下って陣馬高原下バス停へ向かいます。

駐車場

上川乗バス停そばに村営上川乗駐車場があります。自販機などの設備はありませんが、きちんとした洋式のトイレがあり、駐車場隣には野菜の無料販売所が設置されています。また敷地奥には井戸があり、自由に使えます。

  • 収容台数:4台
  • 料金:無料
  • 時間:規定なし
  • 標高:405m
  • トイレ:あり
  • 登山ポスト:なし
  • 自販機:なし

生藤山のQ&A

生藤山で多い質問は、難易度、桜、通行止めなどです。回答と併せて紹介します。

Q1:生藤山の難易度は?

難易度は選択する登山ルートによって変わりますが、初級から中級レベルといっていいでしょう。アップダウンのある縦走路のため体力が要求されます。自信のない方は、まき道を利用しましょう。

Q2:生藤山は桜が有名?

生藤山の登山道には桜並木がありますが、テングス病の影響で花が咲かない状態が続いています。しかし他のエリアの山桜やソメイヨシノは咲きます。また、桜のほかはミツバツツジが大変美しく、春の山行はおすすめです。

Q3:生藤山に通行止めの箇所はある?

2020年10月~2021年3月まで全面通行禁止になっていましたが、2023年7月現在通行止めはありません。全面通行可能です。

登山口へのアクセス・各種情報

神奈川県から登る鎌沢側の登山口と、東京都側から登る上川乗(かみかわのり)登山口を紹介します。どちらもバス、マイカーでアクセス可能です。

鎌沢側登山口

生藤山の神奈川県側のルートの登山口で、マイカーでもバスでもアクセスできます。登山口周辺は景色の美しい、のどかな里山で設備はありませんが、登山口手前の県立鎌沢休憩所には東屋、トイレがあります。

マイカーでのアクセス

中央自動車道相模湖ICから国道20号~県道522号へ行き、陣馬山登山口、藤野小学校を越えた先の県立鎌沢駐車場に停めます。

車を停めたら道なりに急坂を上り、のどかな集落を抜けると登山口の立派な石碑があります。そこを入り、さらに右手が生藤山の登山口入口です。駐車場から登山口まで約35分です。

あるいは陣馬山登山を含めた縦走コースで紹介したように、和田峠の駐車場に停め、この登山口まで歩いてくることもできます。駐車場から登山口へは以下のようなルートがとれます。

和田峠駐車場→(1時間)→醍醐峠登山口→(25分)→和田登山口→(10分)→和田バス停→(10分)→鎌沢入口バス停

鎌沢入口バス停からは、バスでのアクセスをご覧ください。

バスでのアクセス

JR藤野駅から和田峠行きの神奈中バスに乗り、鎌沢入口バス停で下車。坂道を登り、県立鎌沢駐車場を越えてさらに急登した先の茶畑の中に県立鎌沢休憩所があり、民家の横から山道に入ります。鎌沢入口バス停から県立鎌沢駐車場まで約20分です。

上川乗登山口

上川乗バス停または村営上川乗駐車場から浅間峠、熊倉山へと登り、生藤山へと向かうコースの登山口です。周辺には自販機もコンビニもないので事前に準備しておきましょう。

マイカーでのアクセス

浅間峠への登山口へは、上川乗バス停そばの上川乗駐車場を利用します。圏央道あきる野ICから約26㎞、所要時間は約45分です。駐車場から登山口までの行き方は、バスでのアクセスをご覧ください。

バスでのアクセス

JR五日市線武蔵五日市駅から西東京バス「数馬」行きのバスに乗り、上川乗バス停で下車。そのままバスの進行方向に向かって歩き、上川乗交差点を左に進んでS字カーブの2つ目に浅間峠・熊倉山への登山口があります。バス停から登山口まで徒歩10分ほどです。

生藤山周辺のおすすめ山旅スポット

生藤山登山の帰りに立ち寄りたいおすすめスポットを紹介します。

藤野芸術の家

出典:藤野芸術の家

自然に包まれた広大な敷地には、宿泊施設、音楽スタジオ、レストラン、ホール、工房などがあります。おすすめは陶芸やガラスなどの工房体験。大人も子供も予約なしで楽しめます。

ふるさと長寿館

出典:上野原市観光協会公式サイト発見うえのはら

食堂と土産物店が1つになったローカル施設。地元食材をふんだんに活かした滋味豊かな長寿食がいただけます。おすすめは麦とろ定食。うどんか蕎麦が選べます。

古民家カフェ晴ノ舎 Harenoya

出典:晴ノ舎 Harenoya公式サイト

登録有形文化財の旧高橋家住宅内にある古民家カフェ。地元檜原村の野菜を中心としたランチセットが人気です。地元工芸作家の作品や産直品、村のお土産なども販売しています。

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