ビッグアグネスのフライクリークHVUL1ソリューションダイは、2010年にアメリカのバックパッカー誌のエディターズチョイスを受賞して脚光を浴び、それから細かな進化を続けながら常に幅広いユーザー層に支持されている軽量なテントです。今回はビッグアグネスの中でウルトラライトモデルにカテゴライズされる持ち運びしやすくコンパクトなフライクリークHVUL1ソリューションダイをレビューします。
製品概要
ブランド | ビッグアグネス |
商品名 | フライクリークHVUL1ソリューションダイ |
商品説明 | ビッグアグネスが展開するULテントの中で、アメリカで最も人気のモデルがコッパースプールです。湿気の多いサマーシーズンでも結露が少ないダブルウォール仕様。 |
価格(税込み) | ¥76,780 |
総重量 | 907g |
管理人の評価レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★★ |
軽量性 | ★★★★☆ |
コストパフォーマンス | ★★★★☆ |
登山向けテントを選ぶ時のポイント
登山向けの軽量なテントを選ぶ時のポイントには。以下の8つが挙げられます。
- 重量
- 自立式か非自立式
- 吊り下げ式かスリーブ式
- ダブルウォールかシングルウォール
- メッシュ素材の面積
- フロアシートのデニール数
- ポールの剛性の高さ
- 入り口が長辺か短辺
登山での使用に適したモデルであるかどうかは、テント場の風の強さや、テント泊登山をするときの季節によって視点が異なります。今回レビューするビッグアグネスのフライクリークHVUL1ソリューションダイは、3シーズンでも暖かい季節におけるテント泊登山におすすめできるモデルです。
驚くような軽さで登山装備の軽量化におすすめ
重量は総重量で907gと非常に軽量です。フライシート、インナーテント、ポールの3つの合計重量が最小重量です。総重量はこれに加えてペグ、ガイライン、スタッフバッグの合計重量を指します。
フライクリークHVUL1ソリューションダイのペグはダートダガーUL6インチが11本入っており、1つあたりの重さが9gです。このポールはしっかりと地面に刺さり抜けづらく、硬い地面に挿しても曲がりづらい剛性の高さが特徴です。
ガイラインは自在がついたリフレクティブで、ヘッドライトの明かりに反射するので足を引っ掛けづらい便利なタイプです。
自立式&吊り下げ式で設営のしやすさが初心者にもおすすめポイント
テントの設営方法は非常にシンプルで、ポールを組み立てたらインナーテント本体の3つのポイントにポールを指して、インナーテントのフックをポールに引っ掛けて自立します。
インナーテントを広げた時にペグをさして、その後にインナーテントを自立させるため、強い風にテントが吹き飛ばされづらくテント泊初心者の方におすすめです。
インナーテントの足側の角はガイラインを使ってテンションをかけることでバスタブが立ち上がるように作られています。最後にフライシートをインナーテントの上からかけて必要な箇所にペグダウンをして設営完了です。慣れればおおよそ5〜10分程度で設営を終わらすことができます。
ダブルウォールで結露がしにくい
ダブルウォールタイプのテントで、インナーテントには通気加工が施されたリップストップナイロンとポリエステルメッシュを使用しているので結露が起きにくく、さらに涼しい外気温をテント内に取り込みやすい素材です。
逆に3シーズンでも晩秋の高所で気温が低くなるようなシーンではテント内に冷たい風が入りやすいため防寒対策を重視する必要があります。軽量なテントの多くがインナーテントにメッシュ素材を広く使用している点があげられるため、日本の山岳シーンでは使用機会とテント場の標高や風の強さなどを検討する必要があります。
デニール数が不明なので耐久性が不明瞭
フロアシートに使用されている素材についてデニール数の表記がないので耐久性については不明瞭ですが、触った感じは破れやすいといったような不安材料は少なく、フットプリントを活用することで長い期間の使用が可能になります。
ボールは安心感が高く軽量なDACのNFLを採用
フライクリークHVUL1ソリューションダイの軽量性と剛性の高さの大部分を担っているのがDACのNFLといっても過言ではありません。テントの骨となるポールは登山での使用を念頭に置いた場合は重要視する必要があります。
登山では一方から強い風がずっと吹き続けるような環境というのが少なくありません。剛性が低く柔軟性のないボールだと、このような風によってポールが曲がってしまい、使い物にならなくなってしまいます。このようなことが少ないDACのポールは非常に安心です。
DACフェザーライトNFLはNSLよりも軽量に作られ登山に適したポール素材と言えます。軽量な山岳用テントの多くがDACフェザーライトNFLを使用しています。
入り口は短辺に設けられており、これによって前室で使用するフライシートの面積が少なくなるため軽量化が行われていると思われます。
出入り口部分の高さは最も高いところで102cmでテント内に座って、前室で料理を作ったりすることができます。
ポケットは出入り口の左右に斜めに切り取られた大きめのポケットがそれぞれに設けられ、さらにもう一つ天井部分にもポケットがあり細かなものを収納しておくのに便利です。これらのポケットは全て出入り口付近に設けられているので、手に取りやすく、テント内で過ごしやすいと感じるポイントです。
出入り口部分の幅は97cmで、足元では71cmと台形で、長さは218cmです。1人が寝ても左右に荷物を置くスペースが確保されており、居住空間は見た目よりもとても広く感じます。
ソリューションダイ・ファブリックについて
モデル名にも採用されているソリューションダイとは、生地を織ってから染色する従来の方法ではなく、糸の段階で染色しているので紫外線に対して色落ちしづらい特徴があります。また環境に配慮した生産工程を採用しています。