6月は梅雨の季節ですが、気温が高くなり高山にチャレンジしやすい時期でもあります。当初は違う山に登る予定でしたが天気が悪く中止となり、日程はそのままに晴れそうな山を狙って登ってきました。今回は南アルプス、甲斐駒ヶ岳にチャレンジしました。
雨の中出発、山小屋まではバスで
登山前日は移動日ということで、山小屋を目指して午前中に出発しました。厚木周辺で待ち合わせた時は土砂降り。少し心配ですが、天気予報を信じて出発します。
登山を楽しむ皆さんは、もともと決めていた日程と山の天気があまりよくないと判明した時点で予定を変えたりする方が多いでしょうか?私は、ちょっとくらいの雨であれば予定を変えずに登りたいと思う派なのですが、あまりにも天気予報がよくなかったのと、チームなので自分の意見を押し通すわけにもいかず、甲斐駒ヶ岳の変更案に同意しました。
高速にのって長野県 伊那市にある仙流荘まで向かい、駐車したあとはバス券を購入してバスに乗り込みます。バス券は往復2400円でした。50分くらいバスに揺られて、北沢峠というところにある山小屋に到着します。(仙流荘から上は、一般の車両は入れないようです。ご注意ください)
富士山以外では初めての山小屋泊
私は登山をはじめてまだ2年も経過していないため、山小屋泊をしたことがほとんどありません。去年の7月、富士山で山小屋泊をして以来の山小屋です。今回はこちらの「こもれび山荘」さんを予約しました。
ツアーで予約していた方たちもいて、ほぼ満席のようでした。チェックインの時点で沢山の人が並びます。私達は15時すぎくらいに山小屋につきましたが、チェックインできたのは16時前となりました。
チェックインが終わると、靴の置き場と自分の寝床の番号を案内されます。寝床のスペースはこのくらいです。
こもれび山荘さんのお布団はとても清潔な感じがしたので心配しなくても大丈夫ですが、感染症対策などをしっかりしたい人は、インナーシーツを持っていくと良いかもしれません。(写真中央の寝袋のようなもの)Amazonなどで3000円前後で購入できます。軽量なものがおすすめです。
荷物を整理していると気づけば16時半を過ぎており、夕食は17時からと18時からとのこと。意外とゆっくりするヒマはありません。今回は深夜に出発する計画だったので、山小屋の人とも相談して何時に出るか、ルート等を確認します。
私達のグループは、夜ご飯は18時となりました。結構ボリュームのある夜ご飯でした。
お腹がいっぱいの状態ですが、深夜1時半出発のためすぐに就寝します。山小屋で寝る際は、場合によっては隣の人の寝息やいびきなどで眠れない・起きてしまうこともあるかもしれません。今回私は使いませんでしたが、耳栓などがあると便利だなと思いました。
朝日を見るため、深夜に出発
あまりにも隣の人との距離が近かったのでよく眠れませんでしたが、時間通り深夜1時頃に起きて準備し、1時半に出発しました。私達だけかと思っていましたが、意外にもトレランの装備で私達とは逆方向から降りてくる人も何人かいました。
深夜登山で必ず必要なもの
日の出前の登山に必ず必要なものは、なんといってもヘッドライトです。深夜だけではなく、日中でもちょっと暗い山道を通るときや、思ったより山行に時間がかかってしまい日が暮れてしまったときなどにも安心して行動できるので、替えの電池と一緒にザックの中に入れて常に持ち歩いてるといいかもしれません。
日中の山行よりも倍の時間がかかる
ライトがあれば、人も少ないので早く登れそうな気がします。しかし、実際には日中の山行以上に登りにくかったというのが本音です。ライトで照らされた場所しか見えないので、方角が捉えにくく、道にも迷いやすくなってしまいます。あとは深夜なのでちょっと変わった虫なども出没する可能性が高くなり、刺されたりケガをするリスクも高まります。
中間地点(駒津峰)から誤って直登コースへ
当初は、甲斐駒ヶ岳までのルートの中間地点である駒津峰で日の出を見ることが目的でした。日の出は4:23頃だったと思いますが、到着したのは4:50
ごろ。体調不良者が出たこともあり、ゆっくり登ったのでタイムロスが発生しました。でも、それは決して悪いことではありません!
ここで山小屋の人が用意してくれたお弁当を食べ、改めて頂上を目指します。ここから頂上までは早い人で2〜3時間程度でしょうか。
駒津峰から頂上までのコースには、大きな岩をクライミングして登頂する「直登コース」と、少し時間はかかりますがゆるやかな傾斜が続く「巻き道コース」があります。前回、クライミング講習を受けたものの装備と心の準備が足りなかったため、私たちのチームは巻き道コースを通る予定でした。しかし、登り始めてしばらくしてから直登コースを登っていることに気づきました。そのまま登り続けたほうが早く登頂できましたが、安全のために分岐まで戻ることにしました。
巻き道コースの美しさ
巻き道コースは、岩はありますが広々とした雄大な景色を楽しめるコースです。日差しを遮る木々がなく暑かったですが、白い砂と岩が一面に広がりとても美しいコースでした。人も少なく、太陽の日差しと鳥の声しか聞こえません。休憩時間はとても優雅なものになりました。
ゆるやかな傾斜を少しずつ登り続け、1時間半くらいでしょうか。やっと頂上に到達しました。登頂時はちょうど午前8時。午前1時半に出発して約7時間半。駒津峰で休憩を長く取ったのと、直登コースからの引き返しもあり、トータルで6時間くらいは歩いたり登っていたことになります。
前日の土砂降りがウソのようで、頂上からの景色は最高でした!
登頂後は、20分程度休憩をして下山開始しました。同行者は摩利支天まで行っていましたが私はこの後の下山のことを考えて、途中で座って待っていました。
下山は、ゆっくり降りて2時間半くらいだったと思います。今回も悠々と登山を楽しむ余裕がなかった、という悔しさと共に、下山後の記憶はほとんどなく仙流荘のお風呂に入って同行者の運転でなんとか帰宅しました。
調子が整わなかった理由を振り返る
万全な体調で臨みたいという想いから前泊を決行しましたが、山小屋は慣れていないと眠れない人も多いかもしれません。私自身、どこでも眠れる自信がありましたが隣の人との距離の近さが気になり、うまく眠れませんでした。これは本当に慣れかもしれませんが。
また、夜ご飯をたっぷり食べてすぐ寝るというのも結構厳しいです。実際に同行者は私以外に2人いましたが、そのうちひとりは夜ご飯のボリュームと、自分のいつもの食事量が合わず、体調を崩して駒津峰で引き返しています。
私も胃に食べ物が残っている状態で深夜から登り始めたので、いつもより傾斜を登るペースが落ちてしまったのは事実です。
ご飯はもちろん最高に美味しかったのですが、早朝などに登り始める際は、自分が調子を崩さない量を見極めないといけないな、と思いました。
どんな人でも、その日の体調によってペースがかなり左右されます。今回の経験を通して、無理は禁物ですがこれからも山行を重ねていく中で、山小屋泊でも、深夜出発でも、自分のベストな状態を整えられるようになりたいと思いました。