8月の終わりにもなると体感的にも涼しくなり山の上の気温は9月前半から日に日に低くなり寒さを帯びてきます。今回はテント泊登山装備において、夏山登山から秋山登山ではどのように登山の持ち物が変わるのか、また変わらないのかを紹介します。
対象となる登山のレベル
今回紹介する秋山登山の持ち物は以下の登山のレベルで紹介をします。
- 無雪期である
- 2500m以上の登山を対象
- 初めてテント泊登山に挑戦する人向け
以下で★印がついているアイテムは夏山登山とは異なり秋山登山向けのアイテムに変えるべきものです。
- ザック:総重量を踏まえて選ぶことが重要
- ザックカバー:雨が降った時に備えて準備が必要
- 登山靴:登山靴の中でも高所登山向けのソールが固めのモデル
- ★レインウェア:防風性に優れた3層構造のゴアテックス製(上下)
- ★ベースレイヤー:温度調整が容易なジップアップタイプのメリノウールウェア
- ★ウィンドブレーカー:レインジャケットを代用しても良いが、透湿性を重視する
- ★グローブ:手を保護するためのグローブと保温力のあるグローブとレイングローブの3種類必要
- サコッシュ:行動中にスマホや紙地図を取り出すのに便利
- ボトルホルダー&ショルダーポケット:ザックを下さず直ぐに使える対策
- ★帽子:汗の顔への滴りを抑制し、頭全体を紫外線保護
- サンシェード:キャップと併用して首や耳の日焼けを防止
- サングラス:紫外線が目に入りづらいフィット感に優れたモデル
- 水&水筒:ボトルかハイドレーションタイプ
- 大きな水筒:予備の水を持ち歩くための水筒(プラティパスなど)
- ファーストエイド:体に傷を負った時に応急処置ができる必要最低限のキット
- タオル:汗拭き・日焼け防止
- 行動食:登山で必要な栄養補給と行動中に食べやすいものをチョイス
- トレッキングポール:足の負担を軽減するのに役立つ
- 時計:標高による現在地確認と、計画通りに登山ができているかの時間確認に便利
- ヘッドライト:行動時以外にもテント場で食事をする時に必須
- ビーニー:休憩中頭と耳を寒さから保護
- 日焼け止め:コンパクトなタイプをチョイス
- リップクリーム:唇を保湿
- テント:テント内と外気温の気温差で結露が生じやすいのでダブルウォールテントがおすすめ
- グランドシート:テントを地面から保護すると共に地面からの冷えを軽減
- ペグ:テントを風で飛ばされないように固定するとともにテント内の空間を確保
- ★テントマット:R値が高いモデルをチョイス、もしくはエマージェンシーブランケットで包む
- 枕:着替えやウェアなどを使って枕代わりにしても可
- ランタン:ヘッドライト以外でを明かりを確保するのに便利
- ★防寒ウェア:ダウン量のある保温性に優れたモデル(上下)
- 燃料:初心者には扱いやすいガスストーブがおすすめ
- ストーブ:ガスストーブは風に強いタイプ
- カトラリー:食べやすさを重視したセット
- クッカー:料理をするならアルミ製、お湯を沸かすだけならチタン製が軽量でおすすめ
- マグカップ&お皿:お酒やスープ・食事に適したアイテム
- スマホ:現在近くにいやルート確認など
- 現金:山小屋での買い物や自動販売機の使用に必要
- 健康保険証のコピー:万が一のためにコピーを用意
- 紙地図:スマホが使えなくなった場合のオプションとしても重要
- モバイルバッテリー:スマホでカメラや動画撮影をするなら必須
- ゲイター:登山靴の中に砂や砂利などを入りにくくするのに便利
- キッチンペーパー:カトラリーやお皿などを拭くのに便利
- テーブル:テントの前で食事する時にあると便利
- 着替え:軽量なTシャツとタイツと下着、ソックスがあると気持ちよく過ごせる
- サンダル:窮屈な登山靴から足を開放する
- お酒類:必要に応じて
- お酒のおつまみ:必要に応じて
- ナイフ:食材を切る以外にもあると役立つことが多い
- まな板:必要に応じて
テント泊登山に最低限必要な持ち物(行動用)
ザック:総重量を踏まえて選ぶことが重要
装備の軽量化を重視する場合は軽量なザックを選ぶことができるし、装備重量が10kg以上になってしまう場合は腰荷重が可能で、フレーム付きのザックを選ぶようにしましょう。テント泊登山向けの登山用ザックに力を入れているメーカーは、オスプレー、ドイター、ミステリーランチ、ブレゴリーなどが有名です。
ザックカバー:雨が降った時に備えて準備が必要
1泊以上のテント泊登山の場合は雨が降ることも想定してザックカバーを忘れないようにしましょう。最も軽量で人気のモデルはシートゥサミットのウルトラシルパックカバーです。
登山靴:登山靴の中でも高所登山向けのソールが固めのモデル
2500m以上のテント泊登山は、足元が不安定な場所が多く、また雨が降る可能性を踏まえてゴアテックス製で、できるだけアウトソールがしっかりしたタイプを選ぶと安定した登山が可能になります。登山靴はできるだけ登山プロショップに足を運んで選ぶようにしましょう。軽量な登山装備で行動できる場合はトレイルランニングシューズを履くのもおすすめです。
★レインウェア:防風性に優れた3層構造のゴアテックス製(上下)
レインウェアを選ぶ時に重視すべきポイントは風の強さ、雨の冷たさを考えて、薄手で軽量なタイプがいいのか、はたまた厚手でしっかりしたタイプがいいのかを選択するようにしましょう。秋の登山は3層構造のゴアテックス製レインウェアがおすすめです。購入する際は素材の厚み(デニール数)を確認しましょう。
★ベースレイヤー:温度調整が容易なジップアップタイプのメリノウールウェア
秋の登山では行動中も防寒対策が必要です。2500m以上の山の場合は森林限界を超えることを踏まえて、冷たく強い風に当たる想定が重要です。ジップアップタイプは温度調整がしやすく、さらにメリノウールはゆっくり乾いてくれる素材なので秋冬はメリノウール一択です。樹林帯で発汗量が増えることも踏まえて乾きの速さも魅力な山旅のジップアップシャツがおすすめです。
★ウィンドブレーカー:レインジャケットを代用しても良いが、透湿性を重視する
レインジャケットが厚手の場合は「ちょっと肌寒い」と言ったシチュエーションで着用すると汗をかいてしまう可能性があります。レインジャケットよりもウィンドブレーカーは透湿性が高いため、行動着として快適性が異なります。軽量なモデルは100g前後のものもあります。
★グローブ:手を保護するためのグローブと保温力のあるグローブとレイングローブの3種類必要
岩場が多い山では手を保護するためのグローブの他に防風性と保温力に優れたグローブの携行を重視しています。できるだけ軽くコンパクトになるアイテムが重宝します。
レイングローブはテムレスのものがコストパフォーマンスに優れていて使いやすいのでおすすめです。
保温向けグローブは山旅の指穴フリースグローブとコーデュラリップ製軽量コンパクト防風ミトンの組み合わせがおすすめです。どちらもグローブをしたまま
ボトルホルダー&ショルダーポケット:ザックを下さず直ぐに使える対策
ボトルホルダーとポケットは、ザックを降ろさずに水分補給と栄養補給、そしてこまめに日焼け止めとリップクリームを使用するためにザックのショルダーハーネスに取り付けます。これがあるとライトでは圧倒的に登山中の快適さが異なります。
サコッシュ:行動中にスマホや紙地図を取り出すのに便利
サコッシュはスマートフォン、紙地図、財布を収納しています。これらを取り出しやすい山旅のULサコッシュは非常に使いやすく普段からも愛用しています。
★帽子:汗の顔への滴りを抑制し、頭全体を紫外線保護
暖かい時期はキャップのほかにBUFFを持ち歩くようにしています。もしも空気が冷たく耳が痛くなった時にBUFFがあることで鼻から口元、耳まで覆い隠すことができ、さらにはネックウォーマーとしても活用することができるので大変便利です。また強い風に叩かれた時に飛ばされづらいフィット感調整が容易なキャップがおすすめです。
サンシェード:キャップと併用して首や耳の日焼けを防止
サンシェードは様々なキャップに取り付けることができるモデルがおすすめです。耳や首の後ろの日焼け対策にはサンシェードがあるととても安心です。
サングラス:紫外線が目に入りづらいフィット感に優れたモデル
汗をかいても滑りづらくストレスなく行動できるサングラスを選んでいます。また軽さも長い縦走登山に使用する際は重要です。
水&水筒:ボトルかハイドレーションタイプ
僕は水をガブガブ飲みたいタイプなのでハイドレーションではなく水筒です。水筒も水場で水を一気に入れやすい蓋付きタイプを愛用しています。寒くなるとお湯を入れたいので魔法瓶にしています。
大きな水筒:予備の水を持ち歩くための水筒(プラティパスなど)
大きな水筒は予備の水を持ち歩くためです。色々なモデルを使用しましたがプラティパスが最も使いやすいです。キャップはプッシュプルキャップが水を注ぎやすく便利です。寒くなると1L、暑い季節は2Lにしています。
ファーストエイド:体に傷を負った時に応急処置ができる必要最低限のキット
ファーストエイドは最悪の状況を考えて誰が見てもわかるような赤いスタッフバッグに入れています。怪我をした時に使用するもの以外に、足にマメができたり、虫に刺された時に痒みが止まらない・・・などといった状況を想定した一連のアイテムを取り揃えています。
タオル:汗拭き・日焼け防止
タオルは汗拭き用以外に日焼けを防止するサンシェードのような役割、テントの結露を取る時にも活用します。だから水でバシャバシャと洗った後に絞ってすぐ乾くタイプのタオルを使用しています。
行動食:登山で必要な栄養補給と行動中に食べやすいものをチョイス
タンパク質、エネルギー、ミネラル、これらの栄養素を補給できるように分類別でバランスよく行動食を持ち歩くようにしています。
トレッキングポール:足の負担を軽減するのに役立つ
カーボン製のトレッキングポールは折れるというより割れてしまうのでアルミ製の軽量なモデルを使用しています。
時計:標高による現在地確認と、計画通りに登山ができているかの時間確認に便利
時計は現在地の確認や計画通りの登山をできているかをいち早くチェックするのに役立ちます。スマートフォンでも同じようなことができますが、充電がなくならないようにするためにも登山用時計は重要です。
ヘッドライト:行動時以外にもテント場で食事をする時に必須
ヘッドライトは充電タイプのものを選ぶようにしています。充電がなくなった時に電池も使用することができるとリスクが少なく安心です。
ビーニー:休憩中頭と耳を寒さから保護
秋の登山ではテント泊をしている時に体が止まって、日が落ちると急激に寒くなるので耳を隠すことができるビーニーが何かと重宝します。
日焼け止め:コンパクトなタイプをチョイス
日焼け止めはコンパクトなものを購入して活用しています。
リップクリーム:唇を保湿
リップクリームは唇だけでなく手や指などがカサカサした時にも活用しています。
テント泊登山に最低限必要な持ち物(宿泊用)
テント:テント内と外気温の気温差で結露が生じやすいのでダブルウォールテント
気温が低くなる秋山登山では結露が生じやすいためシングルウォールよりダブルウォールテントを選択します。防寒着などで重量が増すため、できるだけ軽量なモデルを選択します。
グランドシート:テントを地面から保護すると共に地面からの冷えを軽減
軽量で価格も安く地面からの冷たい空気もしっかりと遮断してくれるタイベックシルバーがおすすめです。熱の反射を促すためにアルミニウムが蒸着された側を上にします。
ペグ:テントを風で飛ばされないように固定するとともにテント内の空間を確保
テントに付属されているペグの重量を測って7〜8kgに抑えられていれば合格ですが、それ以上の重量がある場合はチタン製の軽量なモデルを使用します。中でもおすすめなのが中華製の安い軽量なペグです。折れやすいので硬い地面に下穴を開けるために必要な強い貫通力をもったネイルペグと併用します。
ペグケースは泥がついたペグを収納するのに大変便利です。
★テントマット:R値が高いモデルをチョイス、もしくはエマージェンシーブランケットで包む
地面からの冷えが気になる場合はR値の高いテントマットをチョイスしますが、どうしても重量が増してしまうので僕は軽量なクローズドセルマットとモンベルのコンパクトマルチシートを活用します。地面からの冷えはコンパクトマルチシートをテント内に敷くことでテント内全体を暖かく保つのにも起因している印象です。このシートはカシャカシャ音がしないのも特徴です。テントマットは1.5cmの厚みのモデルを選択しています。
★シュラフ:快適使用温度が4度前後のものをチョイス
テント泊で就寝する時はダウンパンツとダウンジャケットを着用した状態です。だからシュラフは快適使用温度が4度前後のものをチョイスしています。快適使用温度だけでなく首回りやジッパーから冷気が入らないようなドラフトチューブがついているタイプはより安心です。シートゥサミットのスパークSP2は軽量かつ暖かな優れたダウンを使用しているので気に入っています。
枕:着替えやウェアなどを使って枕代わりにしても可
汗をかいてベースレイヤーが濡れた状態で休憩をしていると気化熱によって徐々に体が冷えてしまうので、着替えを実践するようにしています。この着替えを収納しているのがダイニーマ製リバーシブルピローです。このアイテムはスタッフバッグと枕が一体化されていて、装備の軽量化にもおすすめのアイテムです。
ランタン:ヘッドライト以外でを明かりを確保するのに便利
電球色と昼白色に切り替えることができ、明るさの調整も含めると様々な明かりを作ることができる、バッテリー込みでわずか63gのLEDランタンが最近のお気に入りです。不安定な場所に置いても倒れづらくランタンをつけると虫が近寄ってくることを防ぐキャップ付きで、虫嫌いな人にはおすすめです。
★防寒ウェア:ダウン量のある保温性に優れたモデル(上下)
軽量を重視するならば防寒着はダウンウェアがおすすめです。
ダウンジャケットとダウンパンツはユニクロやネイチャーハイクなどが価格も安く、最初に購入するアイテムとしてもおすすめですが、長く使用することになるのでフィルパワーに優れたモデルを僕は最初から選択しました。ダウンジャケットやダウンパンツ、シュラフは一つ一つスタッフバッグに入れるのが面倒なこと、濡れては困るため山旅ダイニーマ製ドライバッグLを活用しています。このサイズはダウンパンツとダウンジャケット、シュラフを全てまとめてパッキングすることができるサイズです。
テント泊登山で最低限な必要な持ち物(食事用)
燃料:初心者には扱いやすいガスストーブがおすすめ
燃料はガス、固形燃料、アルコールなどがありますが、重量は若干重くなりますが初心者にはガス燃料が扱いやすくおすすめです。また寒くなる季節においてお湯を早く沸かすというのは体を冷やさないことにもつながるのでリスクの面でもガスが安心です。
ストーブ:ガスストーブは風に強いタイプ
SOTOのウィンドマスターは高所で火をつけても火力が落ちづらく、他のガスストーブと比べると風にも強いため選んでいます。