絶景紅葉の定番、木曽駒ケ岳。四季を通じて初級者から上級者まで登山者を魅了する山、特に秋は観光客が押し寄せ、早朝からとんでもない大行列となることでも知られます。行列や混雑の大嫌いな筆者は正直「近づきたくない山」でしたが、実際に訪ねてみればその魅力を皆に伝えずにはいられない、そんな素晴らしい木曽駒ケ岳の魅力を紹介します。
魅力その1・超超簡単アクセス
木曽駒ケ岳の標高2,956mは中央アルプス最高峰ですが、メイン登山口の千畳敷駅(標高2612m)まで中央アルプス駒ケ岳ロープウェーが7分30秒で駆け上がり、手軽に標高3,000級の世界へ 。
魅力その2・超絶大絶景
ロープウェー下りれば2万年前の氷河で削られた地形が圧巻の千畳敷カールがドーン。初夏から夏は高山植物が咲き乱れ、秋は金色に輝く雄大で美しい景色。高度が一気にあがるので高山病に注意が必要ですが、そこから駒ケ岳山頂までの標高差はたったの300m、初心者でも安心して登山できますが絶景はてんこ盛りです。
魅力その3・絶景の中に充実の山小屋&テント場
千畳敷カールを40分ほど登った台地に宝剣山荘、天狗荘と新設されたテント場(10月31日泊まで営業)、駒ケ岳山頂直下に頂上山荘とテント場(10月8日泊まで営業)があり、山頂でも片道2時間ほどの移動時間は初めての3,000m級高山で宿泊、幕営体験にうってつけです。
魅力その4・お手軽ハイリスクハイリターン
宝剣岳はクサリ場が連続する絶景&スリリングな岩場、油断すれば即滑落で命の危険ですがサイン通りに進めば安定した足場は確保、片道15分のお手軽エクストリーム体験が可能。
魅力その5・だれでも絶景の中に、遊歩道と充実の施設
千畳敷カールの絶景を臨む遊歩道は登山装備がなくても散策は可能なので四季の彩を求めて多くの観光客が訪れます。そして日本でいちばんSO・RAに近いホテル「ホテル千畳敷」は充実のアメニティ。
今回のルートは以下です。
掲載画像は2022年10月2-3日(日月)の山行き記録です。2023年の今年は残暑の厳しさから紅葉は遅れ気味のようです。最新紅葉情報につきましてはこちらを参考に。また、今期の山小屋とテント場は以下の営業予定とのこと。
宝剣山荘、天狗荘と新設されたテント場 (10月31日泊まで営業予定)
頂上山荘とテント場 (10月8日泊まで営業予定)
今後の気象条件により変更の可能性もあるので事前にご確認ください。
早朝から大行列、菅の台バスセンター。
路線バス・ロープウェイの運賃はこちら、年間時刻表はこちらからご確認ください。
ロープウェイ山麓駅のしらび平周辺はマイカー規制されているので、菅の台バスセンター駐車場からしらび平まではバス利用になります。写真は6時ぎ、チケットを求める行列。
7時30分:チケット購入後は長いバス待ちの列、これでも5時過ぎの行列ピークの半分くらいです。10時半過ぎには行列はほぼ解消とのこと、山屋の常識とは違いますがテント・小屋宿泊ならそれまで待つのも有りですね、8時過ぎに並び始める場合と結果的には30分しか変わりません。
8時15分:並ぶこと45分でバスに乗車。
8時45分:ロープウェイ山麓駅のしらび平に到着、ここでも待つこと1時間。
9時45分:やっと、ようやくロープウェイに乗車できました。
絶景と紅葉の千畳敷駅。
9時53分:千畳敷駅に到着、チケット購入行列から3.5時間、バス待ちから2.5時間過ぎましたが絶好の天気と爽やかな高原の空気、年一のイベントとしては有りでしょう。それにここまで自力で登るより圧倒的に楽です。
標高2612m、ここで高山病になってもおかしくない高さ。金色と赤紅のコントラストが美しい駅周辺を1時間近くブラブラしながら高度順応します。
この日、量産前のHEXAR UL3プロトタイプと共に登ります。63gのランタンは全く重さを感じずパッキングにも影響ありません。バックパックはDucan Spine 50-60 Women。このクラスの女性専用モデルは意外と少ないのです。画期的な背面システムは荷重を分散、疲労感を減少しながら通気性を確保。軽量でも収納ポケットの工夫、荷物の出し入れに便利なフロンとファスナーアクセスと充実の機能を備えています。
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天空目指して登頂スタート。
11時前、登山開始です。鋭く天を突く白い岩峰群、なんとまあスタートから映えなこと。登山道は人多めながらも、この時期の谷川岳オキトマのようなミッチリ行列にはなりません。
お子様連れの登山者をとても多く見かけました。
宝剣山荘・天狗荘に到着。
45分ほどで宝剣山荘へ。アルペンの雰囲気満載の絶景だらけですが、拍子抜けの短い行程。今季の宝剣山荘、天狗荘と新設されたテント場 は10月31日泊まで営業予定です。
宝剣山荘から15分で中岳(2,925m)に到着。
中岳から見る駒ケ岳山頂、麓に今日の目的地、頂上山荘幕営地が。
頂上山荘幕営地での最高の時間。
千畳敷駅からここまで健脚な方なら1時間もかからないでしょう、バス待ちの時間のほうがずっと長い。
幕営からの昼寝、日没の頃はこんな感動的な景色と会えました。なんか凄いですよこれ。
感動的な日没見終えたら山飯の準備を。この日の夜の気温は5℃、暖かいダウンは必須です。
ヘッデンはもちろん必須の装備ですが、小型のランタンもあると何かと便利ですよ。HEXAR UL3に付属のポーチを被せれば柔らかな雰囲気になると同時に、超小型ランタンがミドルクラスのランタンと同等の配光高さとなります。
商品撮影を兼ねた山行きなので予備含め4本、何しろ軽いHEXAR UL3 だからこそできる光に溢れた幕営は「やりすぎだろ、女優かよ!」とのご指摘ごもっとも、あきらかに浮いてる。でも寂しくなくていいです。
さて、20時近くなり就寝時間。写真は常夜灯としてのHEXAR UL3、この明るさでも50時間は点灯、最小光束で120時間。1泊なら63gのUL3で必要十分です。
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2日目、ご来光から始まります。
なにしろ山頂直下の幕営地、行動開始は5時で山頂ご来光は余裕です。
写真は一切加工無しの天然色ですよ。
20分ほど登れば山頂、この日の日の出5時45分を待ちます。
5時45分:木曽駒ケ岳山頂より甲斐駒ヶ岳(たぶん)からのご来光、この瞬間を迎えるためのテント泊でしょう、喧噪無い静けさの中で雲海に射し込む光、まさに絶景、荘厳な美しさと言いたいとこですが出てすぐ上の雲に隠れてしまった。
本当の感動は日の出の時間から15分後に訪れました。雲海を金色に照らす神々しささえ漂う時間に!
朝日浴びる頂上山荘、お世話になりました。2022年はこの日で小屋閉め。今年2023年は10月8日泊までの営業予定となります。
中岳の横を右回りで戻ります。登るより断然景色がいい。
宝剣山荘のある台地に戻る直前に急登の岩場あり、これが地図上で危険とされてる理由です。
2日目のメインイベント、宝剣岳へ。
山頂直下のここが最も怖いとこでしょうか、転落したら間違いなく即死と思われます。
三ノ沢岳へ向かう稜線が見えます。
登り始めから15分、宝剣岳山頂からの素晴らしい眺め。なんてお手軽エクストリーム体験。
若いって素晴らしい、怖いもの知らずなお二人。
さて、下山です。写真より実際の方がずっと怖いですよ。それでも自分史上最も怖かった南魚沼は八海山八つ峰と比べれば足場は硬く安定、安心して歩めます。
伊那前岳へ。
ガスって視界が無くなりつつありましたが伊那前岳を目指します。
アップダウン少ない稜線を30分ほど行けば伊那前岳山頂。晴れてたなら素晴らしい眺めだったでしょう、残念。
千畳敷カールを下山。
前日より少し紅葉進んだ感ありましたが、このガスの状況下では良い写真とはなってくれません。
遊歩道を散策して帰ります。
この日は月曜、下山のロープウェイは45分ほどの待機で搭乗できました。
アフターは「露天こぶしの湯」で湯ったり~からの超絶品ラーメンはいかが?
下山したらとにかく風呂!なにより風呂! 一刻も早く風呂でしょう。「露天こぶしの湯」は木曽駒下山後の定番の一つ、メイン通りから少し離れてるので比較的空いてます。広々した気持ちの良い露天風呂、サウナも充実。モンベル会員は入浴料金が割引になります。
ラーメンレストランハヤシ
駒ヶ根周辺には美味しいレストランは多くありますが、伊那郡は箕輪町まで足を延ばす価値あり。これまでのマイラーメン人生の中で屈指のお店です。
■「ラーメンレストランハヤシ」■hayashirestaurant
醤油味は透明に輝く滋味溢れるやさしい味、味噌味は圧倒的な濃さと深みで飲み干させる魔性のスープ、どちらも実に丁寧に作られた逸品。麺にチャーシュー、具材全てに注がれた技術とセンスははただ物ではないのは写真でも伝わるかと思います。ラーメンの名店は数多くあれど、ここは次元が違うとしか言いようがない。今年の6月に移転しました、グーグルマップの場所は正確ですがの店舗写真は移転前のものなのでご注意ください。
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