愛知・岐阜・三重の東海3県には魅力的な低山がいくつもあります。標高が1,000m以下であるにも関わらず、山頂から絶景を望める山が多いのです。また、東海地方は本州のほぼ中央に位置し太平洋側にある地域のため、低山なら冬でも登山が楽しめます。
そこでこの記事では、初心者や家族連れも気軽に冬の登山が可能で、景色の素晴らしい愛知・岐阜・三重のおすすめの低山を6座紹介します。
冬のおすすめ登山|低山の魅力
標高1,000m以下の低山は比較的安全に登れる山が多く、初心者や子ども連れも気軽にトレッキングを楽しめます。コースタイムが短いため登山のあとに麓の名所を訪ねる余裕もあり、1日で山行と観光の両方が可能です。
冬のおすすめ登山|低山の魅力①初心者でも冬登山に挑戦可能
降雪の少ない地域にある低山は、冬でも登山可能です。冬登山の経験のない初心者が挑戦するなら、低山に登ることから始めましょう。
また、冬の低山は樹木の葉が枯れ落ちているため、他のシーズンより見晴らしがよいことも魅力です。
冬のおすすめ登山|低山の魅力②登山口のアクセスがよい
低山は市街地のそばにあり、登山口までのアクセスがよいです。
東海地方の低山は登山者用の駐車場が設置されている山が多いので、車を利用して訪れることも可能です。
冬のおすすめ登山|低山の魅力③軽い装備で登山が楽しめる
低山登山は日帰りで行えるためるため、テントや調理器具などの重い荷物を持って登る必要がありません。軽い装備で気軽に楽しめることも大きな魅力です。
冬のおすすめ登山|低山の注意点
低山といえども、油断して登るのは危険です。日本の山の遭難の3/4は低山で発生しています。低山にも道迷いや滑落事故などの危険が潜んでいます。
低山とあなどる事なく、しっかり準備を整えて登ってください。
冬のおすすめ登山|低山の注意点①登山マナーを守る
全ての登山者が気持ちよく安全に山登りを楽しむために、各々が登山マナーを守る必要があります。低山であっても登山マナーは厳守しなくてはいけません。
登山マナーには以下のものがあります。
- ゴミは家まで持ち帰る
- 植物や石を採取しない
- 登山道ですれ違うときはあいさつをする
- 狭い道ですれ違うときは登りが優先
冬のおすすめ登山|低山の注意点②登山靴など最低限の装備を整える
低山であっても登山靴などの最低限の装備を整えて登ってください。登山靴はグリップ力が優れており、山登りでは必須のアイテムです。
また、気温の変化に対応するための防寒着なども準備しなくてはいけません。
▼冬の低山登山の服装についての詳細はこちら
冬のおすすめ登山|低山の注意点③登山計画はしっかり立てる
低山登山であっても、計画をしっかり立てましょう。特に冬は日が短いので早い時間に登山を開始し、日没前に登山を終えなければいけません。
また、低山ほど遭難事故の発生件数が多いため、事前に登山届を提出してください。登山届を提出する際は、山と自然ネットワークコンパスを利用すると便利です。
冬のおすすめ登山|愛知・岐阜・三重のおすすめ低山
愛知・岐阜・三重にある山頂から絶景の見える標高1,000m以下の低山を6座紹介します。
山の名前 | 標高 | 所在地 | 登山難易度 |
東谷山(とうごくさん) | 198m | 愛知県名古屋市 | ★☆☆☆☆ |
猿投山(さなげやま) | 629m | 愛知県豊田市 | ★☆☆☆☆ |
金華山(きんかざん) | 329m | 岐阜県岐阜市 | ★★☆☆☆ |
池田山(いけだやま) | 924m | 岐阜県池田町 | ★☆☆☆☆ |
多度山(たどさん) | 403m | 三重県桑名市 | ★☆☆☆☆ |
霊山(れいざん) | 766m | 三重県伊賀市 | ★☆☆☆☆ |
冬のおすすめ登山|愛知のおすすめ低山
愛知県は西側が平野、東側に高原地帯のある東高西低の地形をしています。
最高峰は東側にある標高1,415mの茶臼山で、標高1,400mから300mの三河高原が東から西にかけて広がっています。さらにその先に標高200mほどの尾張丘陵が伸びています。
冬のおすすめ登山|東谷山
東谷山は尾張丘陵にある名古屋市の最高峰です。東谷山の登山口はJR中央線の高蔵寺駅から2kmの場所にあり公共交通機関のアクセスが便利です。
さらに、登山口近くには駐車場があるので車で訪れることもできます。
冬のおすすめ登山|東谷山の魅力
東谷山は古来より霊山として崇められてきました。登山道には東谷山古墳群と呼ばれる古墳がいくつもあり、太古の歴史ロマンを感じられます。また、山頂には1000年以上の歴史をもつ尾張戸神社があり、疫病除けの神として知られています。
東谷山は標高200mに満たない山でありながら山頂からの眺めは素晴らしく、展望台からの眺望は絶景です。展望台からは眼下に春日井市と小牧市の街並みがひろがり、その先に岐阜の金華山や養老山脈を眺められます。反対側には、猿投山などの三河地方の山々を見渡せます。
冬のおすすめ登山|東谷山の山旅スポット 東谷山フルーツパーク
東谷山フルーツパークは桃、りんご、ブルーベリーなどの17種類の果樹園とさまざまな果物に関する展示が行われているテーマパークです。パーク内にはレストランがあり、旬のフルーツをふんだんに使ったパンケーキやパフェを味わえます。
冬のおすすめ登山|猿投山
猿投山は愛知県豊田市にある標高629mの山です。麓には猿投神社の本社が建立され、山中にも東の宮、西の宮があり山全体が霊山として古くから崇められています。
猿投山は登山者のために無料駐車場が3つ用意されていて、第1駐車場が40台、猿投神社参拝客と共用の第2駐車場が70台、第3駐車場が50台と車でのアクセスがしやすくなっています。
冬のおすすめ登山|猿投山の魅力
猿投山は巨岩奇岩の山としても有名です。
- お倉岩(三角柱の巨石)
- 屏風岩(屏風のように見える巨石)
- 蛙岩(カエルのように見える巨石)
- 御船石(猿投山の祭神・大碓命の船が変化したと伝承される巨石)
- 菊石(国の天然記念物に指定)
また、山中にある5つの滝をめぐる、七滝めぐり遊歩道もおすすめのコースです。
- 乙女滝
- 白菊滝
- 千鳥滝
- 白霧滝
- 二ツ釜滝
冬のおすすめ登山|猿投山の山旅スポット 猿投温泉・日帰り温泉岩風呂金泉湯
猿投温泉・日帰り温泉岩風呂金泉湯の泉質は日本での湧水数の少ない天然ラドン泉です。ラドン泉は痛風や糖尿病、ぜんそく、アトピーなどさまざまな現代病に療養効果があるといわれています。また、金泉湯の源泉は飲泉許可を受けているので、温泉水がもつパワーを直接体に取り込めます。
猿投山で登山を楽しんだあとは、猿投温泉につかり心と体を癒やしてはいかがでしょうか。
▼猿投山の詳しい登山ルートはこちら
冬のおすすめ登山|岐阜のおすすめ低山
岐阜県は日本列島のほぼ中央に位置しており、最低地点の海抜0mから最高峰は奥穂高岳の標高3190mの高低差の大きい地形をしています。岐阜は北部の飛騨地方と南部の美濃地方に分かれています。飛騨地方は標高の高い山間部で、美濃地方は濃尾平野と丘陵地です。
岐阜県の低山は美濃地方に集中しています。
冬のおすすめ登山|金華山
金華山は岐阜市にある標高329mの山です。金華山山頂には戦国時代の武将、斎藤道三や織田信長の居城として有名な岐阜城があります。
金華山は登山道を登る以外にも、ロープウェーで山頂まで行くことができる山なので、行きは登山、帰りはロープウェーなど自分の体力に合わせたコース選択が可能です。
冬のおすすめ登山|金華山の魅力
金華山は10種類の登山道があります。その中でも、めい想の小径と馬の背コースの2つがメジャーなルートです。
金華山には険しい急登があり、充実した山登りが楽しめます。特に馬の背コースは木の根と岩のきつい坂道が続くため、小さな子どもには難易度が高いルートかもしれません。
頂上に到着すると高さ約18mの岐阜城があらわれます。岐阜城の天守閣は3層4階で最上階は展望台になっています。岐阜城の天守閣からの眺めは絶景で、岐阜の市街地や長良川、その先に池田山や伊吹山を見渡せます。
冬のおすすめ登山|金華山の山旅スポット ぎふ初寿司 金華橋総本店
岐阜市でランチをするなら、ぎふ初寿司 金華橋総本店がおすすめです。ぎふ初寿司は創業60年以上の老舗で、岐阜市民にもっとも愛されている寿司屋です。ランチなら1,300円(税込)から美味しい握り寿司を食べられます。
おすすめはたっぷり寿司ランチ1,680円(税込)です。名物の穴子のにぎり+ぎり寿司5貫、さらに巻物や本ズワイガニなど盛りだくさんです。
冬のおすすめ登山|池田山
池田山は岐阜県揖斐郡池田町にある標高924mの山です。登山口から山頂まで一帯が池田の森として整備され、登山道には水洗トイレや給水所が設置されています。登山道は緩やかで登りやすいため、初心者や家族連れが登るのに適しています。
山頂には車でも行くことができ、池田山から見る夜景は美しく、地元ではデートスポットとして有名です。
冬のおすすめ登山|池田山の魅力
池田山の最大の魅力はパラグライダーのフライトエリアと山頂から望む絶景です。池田山からは池田町の街並みや伊吹山、名古屋市のビル群などがみられます。(現在、池田山の山頂展望台は老朽化のため閉鎖されています)
冬に登山する場合は積雪の可能性があるので、念の為アイゼンの準備をして出かけることをおすすめします。
冬のおすすめ登山|池田山の山旅スポット 池田温泉本館
池田山に登ったあとは、日帰り入浴できる天然温泉の池田温泉本館に行ってみてはいかがでしょうか。
池田温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、筋肉痛や関節痛、くじき、うちみなどに効能があり登山後につかる温泉に適しています。また、池田温泉は肌がツルツルになることでも有名で、女性に人気です。
冬のおすすめ登山|三重のおすすめ低山
三重県は紀伊半島の東側に位置しています。東側には伊勢平野がひろがり、西側には鈴鹿山脈や高見山脈、紀伊山脈の標高の高い山が連なっています。
三重県の最高峰は標高1,695mの大台ヶ原山です。三重県の低山は伊勢湾側の丘陵地に点在しています。
冬のおすすめ登山|多度山
多度山は三重県桑名市にある標高403mの山で、岐阜県から連なる養老山脈の南端に位置しています。
多度山は奈良時代に建てられた多度大社があることでも有名です。多度大社は平安時代に編纂された「続日本紀」にも登場する、日本の歴史と文化に影響を与えた神社です。
多度山は伊勢湾の近くにあることから、冬に積雪することはほとんどありません。そのため、初心者でも冬の登山が可能です。
冬のおすすめ登山|多度山の魅力
多度山の魅力は山頂からの圧巻の眺望です。山頂からは濃尾平野の大パノラマがひろがり、伊勢湾も眺められます。天気がよければ恵那山や御嶽山も望めるでしょう。
冬のおすすめ登山|多度山の山旅スポット なばなの里
多度山登山のあとは、日本最大級の花のテーマパークなばな里に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
花の少ない冬季には、幻想的なイルミネーションが見られます。なばなの里のイルミネーションは高さ約25m、幅155mにわたり繰り広げられます。
イルミネーションの開始時間は時期によって異なるので訪れる前に確認してください。
冬のおすすめ登山|霊山
霊山は三重県伊賀市にある標高766mの山です。
平安時代に源頼朝が幽閉された山として歴史に登場します。霊山の名前は平安時代に最澄が開いたとされる、かつて山頂にあった霊山寺に由来します。
戦国時代に織田信長と伊賀惣国一揆との間の戦乱で消失してしまいましたが、現在でも山頂に寺院跡が残っています。
霊山は積雪や凍結する場合があるので、登山には冬の装備が必要です。
冬のおすすめ登山|霊山の魅力
霊山の登山道はよく整備されているのでとても登りやすいです。しかし、積雪がある場合は、滑ったり滑落したりする危険があるので注意してください。
霊山は山頂からの眺めが美しく、伊賀市の街と遠くには滋賀県の琵琶湖まで見渡せます。山頂には霊山寺跡の広場があるので、景色を見ながらゆったりとしたスペースで休憩できるのもうれしいです。
冬のおすすめ登山|霊山の山旅スポット 伊賀流忍者博物館
伊賀流忍者博物館は忍者屋敷が再現されています。ドンデン返しや仕掛け戸、もの隠しなどの忍術の説明を受けながら、実際に体験もさせてくれます。
忍者集団による忍者ショーも行われていて子どもたちに大人気の施設です。
愛知・岐阜・三重の低山は登山計画をしっかり立てて楽しみましょう
愛知・岐阜・三重は冬でも降雪の少ない地域で低山なら初心者でも登山可能です。
しかし、登山靴や防寒着などの準備を怠ると、大きな事故につながる恐れがあります。また、日没が早い冬は、登山を終える時間に注意しなければいけません。そのため、事前に綿密な計画を立てる必要があります。
低山といえども基本を守り、安全に冬登山を楽しみましょう。