今回は僕が持っているミドルレイヤーの中で最も軽量なアイテムSenchiDesigns(センチデザインズ)のアルファ90クルーネック/ハーフジップを紹介します。
SenchiDesigns(センチデザインズ)は2020年にオレゴン州のポートランドで誕生した軽量なパーカーからスタートしたブランドです。軽量でアメリカのハイカーに人気のメーカーで日本ではムーンライトギアやメルカリ、またアメリカのオフィシャルサイトから購入することができます。今回は実際にSenchiDesigns(センチデザインズ)のアルファ90クルーネック/ハーフジップのデザインと着用したレビュー、最後にサイズ感を紹介します。
センチデザインズのアルファ90クルーネックのデザイン・スペック
センチデザインズのアパレルはクルーネック、クルーネック/ハーフジップ、フーディー、フーディー/ハーフジップ、フーディーポケット付き、フーディーポケット付き/ハーフジップというモデル展開です。標高差があってウェアの着脱をすることの多い日本の登山シーンではジャケットタイプが使いやすいのですが、残念ながらジャケットは販売されていません。
今回紹介するアルファ90クルーネック/ハーフジップは、ジップの長さが長くお腹の上あたりまでジッパーがあり、熱くなればジッパーを全開することで体温調整を行うことができます。
重量はMサイズで105gと非常に軽量でふわふわとした綿を着用しているような感じです。同じくアルファダイレクト90を使用したノローナのリンゲンアルファ90ジャケットがMサイズで重量174gと僕が持っているミドルレイヤーで最軽量でしたが、それを大幅に更新しました。
この2つのジャケットの重量を左右する部分の違いはジッパーの長さ、胸ポケットのありなし、ポーラテックのパワードライを使用しているか否かという違いですが、センチデザインズのアルファ90クルーネックは、かなり荒削りな作りです。よく言えばポートランドらしいとも言えます。
荒削りだなと思う代表的なポイントとしては、大きく3つあります。
- ジッパーの上部にチンガードがない
- ジッパーの内側にフラップがない
- フラットシーマを採用していない
ジッパー部分は上まで閉めるとジッパーの硬い部分が首に当たって少しゴロゴロとして気持ちが悪い時があります。
また内側にフラップがないのでベースレイヤーに直接ジッパーが当たること、コールドスポットが生まれてしまうことが挙げられます。
全体を通して縫製にお金をかけているような感じがなくフラットシーマではないので、少しゴロゴロとした感触が気になることがあります。
本国で購入すると80ドルに対し為替で1.5(2023年11月現在)、送料(3,000円前後)と考えると少なくとも15000円ぐらいです。メルカリでは20,000円前後、ムーンライトギアで23,000円前後と価格に対してかなり荒削りな作りだと感じます。しかしながら着用感、ミドルレイヤーとしての機能はかなり素晴らしいです。
センチデザインズのアルファ90クルーネックの着用感
着用感をレビューする際に説明しなければいけないのがポーラテックのアルファダイレクトの機能です。この素材は化繊インサレーションで、本来シェルなどの中に入っている化繊綿をそのままむき出しにして使っているから「ダイレクト」という名前がつきます。ダイレクトに使用していることにおけるメリットとデメリットがあります。
メリットは
- 濡れても乾きが早いこと
- 通気性に優れていること
- レイヤリング調整がしやすいこと
デメリットは
- 耐久性が弱いこと
- 化繊綿が抜けやすいこと
濡れても乾きが早いことは、行動中に着用するミドルレイヤーとして扱いやすいです。ベースレイヤーに付着した汗で濡れてもロフトが失われづらく、それが要因で保温力の低下も少ないです。
また通気性に優れているので汗をかくようなシーンでアウターを脱いで、ベースレイヤーとこのミドルレイヤーだけで行動すると溜まった熱を素早く逃して、オーバーヒートしづらくそれが要因で発汗を抑えてくれます。
レイヤリング調整がしやすいことにおいては、通気性とセットで考えるとわかりやすいです。例えばベースレイヤーと、アルファダイレクト、ウィンドブレーカーといったレイヤリングの場合、ベースレイヤーの上に化繊ジャケットを着用してるようなイメージです。この化繊ジャケットの表生地のシェルの部分だけ分割することができると言うと分かりやすいと思います。
なので暑くなった時にアウターとして着用しているウィンドブレーカーだけ脱げば、一気にたまった熱を放出し体を涼しくすることができます。単体で着用していてもほどよく暖かく、ゆっくりとした行動を継続していると、ほのかに暖かい状態がずっと続いているような状態です。
ジッパーを開閉すればさらにこのアルファダイレクトのジャケットの中に冷気を入れることができて涼しくすることができます。
またデザインとスペックの章でお話しした通り重量がわずか105gしかないので、非常に軽やかで重さを体で感じることなく行動しやすいミドルレイヤーです。
ストレッチ性はアルファダイレクトのベースになる生地がメッシュ構造なので、メッシュ部分が伸び縮みするような程よいストレッチ感があり、手を上げても裾がめくり上がりづらく行動がしやすいのもポーラテックのアルファダイレクトの特徴です。
サイズ感
僕は身長180cm体重65kgでMサイズを着用しています。僕の体型でMサイズがピッタリなので、少しゆとりを持った着用感が好みであればLサイズをチョイスしたと思います。また着丈もちょうどピッタリなので、ワンサイズ上でもよかったかなと感じています。
決してコストパフォーマンスに優れたウェアです!と言い切れない荒削りなデザインが気になりますが、これに変わるようなアイテムが今のところないのと、非常に軽やかな着心地が気に入っているので今回紹介させていただきました。