白砂山は群馬・新潟・長野の3県の境に位置する山です。この山から日本海側へ清津川や魚野川が流れ、太平洋側へ白砂川が流れており、群馬側へ流れる沢の名前が山の名前になったといわれています。
登山道は野反湖から往復7時間と日帰りで楽しみやすく、初心者におすすめです。
白砂山の基本情報と魅力
白砂山は群馬県・新潟県・長野県の3県にまたがる山で、「日本二百名山」や「ぐんま百名山」のひとつです。深い山の奥に位置することから「秘境の名峰」とも呼ばれています。白砂山登山の人気シーズンは初夏と秋です。初夏は高山植物を楽しめ、秋は山中の鮮やかな紅葉が見どころです。
山の名前 | 白砂山 |
標高 | 2139m |
エリア | 中部地方 |
詳細情報 | 白砂山の地図・天気 |
美しい稜線を歩ける登山道
堂岩山からの稜線はササ原が続く快適な登山道で、美しい景色の中を歩けます。3県の境にある白砂山は人里離れた最奥の山の一つであり、美しい稜線に囲まれた中で秘峰感を味わえるでしょう。
山頂からの大パノラマ
白砂山の山頂は視界が開けており、西に岩菅連峰、北に鳥甲山と佐武流山から苗場山へ続く緑色の尾根が広がっています。さらに東には上越の山々、南に浅間山や草津白根山など360度名峰を見渡せるでしょう。稜線と山並みが連なる壮大な景色は圧巻です。
色とりどりの高山植物
白砂山では、5~6月にかけて「コバイケソウ」などの多くの高山植物が咲き誇ります。
緑のじゅうたんの中に白いコバイケソウが点々と咲き乱れている様子を楽しめるでしょう。
また7月中旬ごろには「ノゾリキスゲ」が満開となり、秘境の花畑を求めて観光客が訪れるスポットです。
野反湖から白砂山・堂岩山・八間山をめぐる周回コース
野反湖からスタートし、白砂山・堂岩山・八間山の3山を周回するコースです。大自然を満喫しながら、往復7~8時間と日帰りで楽しめます。
コース・所要時間(目安)
白砂山登山口(43分)→地蔵峠(20分)→地蔵山(68分)→堂岩山(20分)→猟師の頭(45分)→白砂山(43分)→中尾根の頭(44分)→黒渋の頭(28分)→八間山(56分)→八間山登山口(11分)→白砂山登山口
必要日数 | 日帰り |
総コースタイム | 8時間22分 |
休憩時間目安 | 30分 |
距離 | 14.7km |
累積標高 | 1270m |
難易度 | ★★★☆☆ |
コース概要
野反湖ダム周辺の白砂山登山口からスタートです。
しばらく樹林帯の登山道を歩いていくと、ハンノキ沢の木橋が見えてきます。
浅い川にかかるかわいらしい木橋を渡り、ダケカンバの登山道を進むとお地蔵さまがまつられている「地蔵峠」に到着です。
地蔵峠からは樹林帯の中を抜けてシラビソ尾根へ向かいます。
水場分岐からは視界が開け、浅間山や草津白根山を見ながら森の中の「野反湖」が望めます。分岐から5分ほど歩くと水場がありますので、休憩しましょう。水場を過ぎて急登を登りきると、堂岩山山頂へ到着です。
堂岩山の山頂を過ぎると、6月にはシャクナゲ街道を楽しめます。稜線の先に白砂山の姿が現れ、天気が良いと奥秩父の先に富士山も見えるでしょう。
「猟師の頭」に到着すると白砂山の美しい姿を拝めます。登山道ではシラネアオイやノゾリキスゲ、ハクサンチドリなどの高山植物を楽しみましょう。
山頂までの途中には登山道開拓者を偲ぶ「金沢レリーフ」があります。
白砂山山頂からは苗場山や浅間山などの日本百名山に加え、佐武流山や鳥甲山などの二百名山も一望できます。
山頂の景色を堪能したところで、いったん堂岩山分岐まで戻りましょう。ここからは八間山方面へむかいます。
気持ちの良い稜線の登山道が続きますが、「黒渋の頭」に向かう樹林帯は急こう配です。アップダウンの稜線を超えると、いよいよ3つ目の山、八間山山頂が見えてきます。
八間山山頂からも白砂山や歩いてきた縦走路、浅間山などの山々を望み、絶景を楽しめるでしょう。八間山からの下りは急ですので、足元に気を付けながら下山しましょう。
駐車場について
白砂山登山口駐車場を利用すると便利です。標高は1520mで、駐車台数は約70台です。料金は無料で、トイレ・登山ポストが利用できます。自販機も利用できますので、お茶など買い足してもよいでしょう。
野反湖畔も散策できる周回コース
こちらのコースでは白砂山・堂岩山・八間山の3山を周回し、富士見峠から野反湖畔も散策できます。
コース・所要時間(目安)
富士見峠(36分)→八間山登山口(10分)→白砂山登山口(40分)→地蔵峠(13分)→地蔵山(60分)→堂岩山(36分)→猟師の頭(41分)→白砂山(26分)→猟師の頭(25分)→中尾根の頭(33分)→黒渋の頭(24分)→八間山(11分)→イカイワの頭(21分)→富士見峠
必要日数 | 日帰り |
総コースタイム | 8時間28分 |
休憩時間目安 | 1時間 |
距離 | 17.4km |
累積標高 | 1372m |
難易度 | ★★★★☆ |
コース概要
富士見峠の八間山登山口に駐車し、野反湖畔を歩いてから白砂山登山道に入ります。野反湖畔ではニッコウキスゲの黄色と野反湖の青色が見事です。
白砂山登山口を通り過ぎ、樹林帯を進むとハンノキ沢がみえてきます。沢にかかる小さな橋を渡りましょう。笹原の中を進んでいくと、地蔵山に到着です。
鮮やかな緑色のイワダレゴケやウマスギゴケを楽しみましょう。堂岩山に到着したら、白砂山方面へ向かいます。
白砂山と八間山の分岐を過ぎると、ハイマツの連なる稜線が目立ってきます。アップダウンの登山道を進み、「猟師の頭」に到着です。ここは堂岩山と白砂山の分岐となっていますので、白砂山を目指します。ノゾリキスゲやハクサンチドリなどの高山植物を楽しみながら登り、白砂山山頂に到着です。
白砂山山頂で景色を楽しみ、八間山へ向かいます。八間山山頂への登山道は急登ですので、滑り落ちないよう気を付けながら進みましょう。
八間山山頂に到着したら、イカイワの肩を通って富士見峠に戻ります。
駐車場について
富士見峠の駐車場は標高1561mで、約200台駐車可能です。トイレ・登山ポストも設置されており、無料で利用できます。
白砂山のQA
白砂山はコースや見頃についての質問が多いです。また野反湖も一緒に散策できるため、野反湖に関する質問もみられました。
Q白砂山にのぼるコースタイムは?
登山道は、野反湖から往復13㎞、約7時間のコースがあります。
Q白砂山の紅葉の時期はいつですか?
例年白砂山稜線の紅葉の見頃は9月下旬~10月上旬です。紅葉シーズンが過ぎると、樹氷シーズンになります。
Q野反湖を一周するのにどれくらいかかりますか?
野反湖は周囲に散策するコースがあり、1週2時間半~3時間程度かかります。釣りをしている人が多く、のんびりとした雰囲気が魅力です。
登山口へのアクセス・各種情報
白砂山登山口を利用すると白砂山に最短でたどり着けます。八間山登山口は富士見峠のすぐ近くに標識があり、野反湖と八間山をめぐる利用者も多いです。
白砂山登山口
白砂山登山口は野反湖ダム周辺にあり、近くに駐車場もいくつか整備されています。一番近い野反ダム駐車場に登山ポストとトイレがありますので、登山前にトイレを済ませましょう。
車でのアクセス
関越自動車道の渋川伊香保ICから1時間50分で白砂山登山口駐車場に到着します。
電車・バスでのアクセス
JR吾妻線長野原草津口駅から中之条町営バス野反湖行きに乗車します。野反湖で下車しましょう。
八間山登山口
八間山登山口は富士見峠駐車場の脇にある登山口です。無料のトイレがあり、野反峠休憩舎では食事処やお土産店を利用できます。
車でのアクセス
関越自動車道の渋川伊香保ICから、車で1時間37分で到着します。
電車・バスでのアクセス
JR吾妻線長野原草津口駅から中之条町営バス野反湖行きに乗車し、野反峠バス停で下車します。
白砂山周辺の観光スポット
野反湖キャンプ場
バンガロー棟とテント設備があり、好きなスタイルで野反湖でのキャンプを楽しめます。
雑誌で「本当に気持ちの良いキャンプ場1位」になったこともある人気のキャンプ場です。バーベキュー施設やシャワーブース、コインランドリーも完備されていますので、キャンプ初心者の方でも気軽に利用できます。
白砂山登山とともに、こちらでバーベキューやテント泊を楽しんでみてはいかがでしょうか。
営業期間:6月1日~10月末
所在地:群馬県吾妻郡中之条町入山国有林
電話番号:090-5201-4782
四万温泉
四万温泉は群馬県を代表する温泉のひとつで、「四万の病を治す霊泉」であるという伝説が名前の由来です。無色透明でしっとりとした泉質で美肌に効果があるうえ飲めば胃腸によいといわれており、飲泉できる温泉としても知られています。
登山で疲れた身体を温泉で癒してみてはいかがでしょうか。
料理旅館 くれない
白砂山から10kmの距離にある料理旅館です。店内でうなぎやイワナ、ヤマメを注文からすぐに調理してくれます。生け簀には岩清水を引いているため生臭さのない新鮮な魚のうまみを味わえます。キノコや三つ葉を包んで揚げた「川魚の包み揚げ」や、「びく盛り山女魚塩焼き」が名物です。
白砂山登山に訪れた際は、地元の川魚料理もぜひ味わってみてください。
営業時間:ランチ11時~14時 ディナー18時~20時
所在地:群馬県吾妻郡中之条町大字四万4143‐2