金華山は岐阜市のほぼ中央に鎮座する標高329mの山です。頂上には鎌倉時代に山城が築かれ、戦国時代には織田信長の居城として使われていたことで有名です。
金華山は市街地に近い山でありながら豊かな自然が広がり、登山中にはリスなどの野生動物に出あうチャンスもあります。また、登山道は初心者向けのハイキングコースから、上級者向けの難関コースまで10種類のルートがあり、何回登っても飽きません。金華山は地元のみならず全国の登山愛好家から注目を集めており、週末を中心に家族連れや登山客でにぎわいます。
そんな、金華山の自然を満喫するおすすめ登山ルートを難易度別に紹介します。
金華山の基本情報と魅力
金華山は標高329mの低山で、登山口から山頂まで1時間ほどで登れるため、気軽に登山を楽しめる山です。また、ロープウェーで山頂へ行くことも可能で、観光地としての顔も持っています。
金華山は1年中見所の尽きない山で、5月にはツブラジイが山全体を金色に染め、秋には美しい紅葉が見られます。岐阜県の南部に位置する金華山は、降雪はあるものの装備を整えれば、冬でも登山を楽しめます。
山の名前 | 金華山 |
標高 | 329m |
エリア | 東海・北陸・近畿(岐阜県) |
詳細情報 | 金華山の地図と天気 |
金華山の基本情報
金華山は戦国時代に「美濃のマムシ」と恐れられた斎藤道三や「尾張の大うつけ」から天下人に上り詰めた織田信長が居城を構えた地です。それまで井ノ口と呼ばれていた地名を、岐阜と改めたのは信長でした。
金華山は岐阜のシンボルとして愛されている山で、頂上にそびえる岐阜城と麓の岐阜公園は市民の憩いの場になっています。また、隣接する名古屋市や全国から観光客が訪れて、活気にあふれています。
金華山の魅力その①岐阜城の天守閣から絶景が眺められる
金華山の山頂からの眺望は素晴らしく、360°のパノラマが広がります。さらに、200円を払って岐阜城の天守閣に登れば、一段高い位置から景色を眺められます。
眼下に長良川が流れ、西に岐阜市の市街地、北に岐阜市最高峰の百々ヶ峰(標高418m)、南に目を移すと、名古屋市にあるビル群が見られます。天気がよければ東に御嶽山も望めるでしょう。
金華山の魅力その②登山と観光を同時に楽しめる
金華山は山頂にある岐阜城と麓の岐阜公園を観光しながら登山を楽しめる、ぜいたくなスポットです。
山頂には岐阜城の天守閣の他にも、かわいいリスたちと遊べるリス村や展望レストランなどのさまざまな施設があります。また、夏季限定でナイター営業も行っていて、山頂から見える美しい夜景はデートに最適です。さらに、麓の岐阜公園は、斎藤道三や織田信長の居館の跡地や博物館、美術館などもあり、岐阜の歴史と芸術に触れられる文化施設になっています。
金華山は登山と観光を同時に楽しめる、1度で2度美味しい場所なのです
金華山の魅力その③初心者の冬登山チャレンジに最適
金華山のある岐阜市は、東京や近隣の名古屋市に比べると比較的雪が多い街です。しかし、金華山の登山ルートは整備が行き届いており、勾配の緩い登山ルートもあるため、初心者でも冬の登山にチャレンジできます。
それでも、冬の金華山には十分に装備が整えてから登ってください。
▼冬の登山で必要な装備についてはこちらから
金華山の難易度別おすすめ登山ルート
金華山には10の登山ルートがあり、どの登山道も2時間以内で往復可能です。コースによって岩や木の根で崖のようになっていて、アルプスさながらの難易度の高い場所もあります。金華山は初心者から上級者まで満足のいく山行が楽しめます。
登山レベルごとのおすすめルートは以下の3つです。
- 七曲り登山道(初級)
- めい想の小径(中級)
- 馬の背登山道(上級)
金華山の初心者向けルート|七曲り登山道
①七曲り登山道入り口→50分→②リス村→10分→③岐阜城(金華山)→40分→④リス村→40分→⑤七曲り登山道入り口
必要日数 | 日帰り登山 |
総コースタイム | 2時間10分(休憩30分含む) |
距離 | 4.1km |
累積標高 | 349m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
金華山でもっとも初心者向きといわれているルートは、七曲り登山道です。七曲り登山道は登山口から山頂までの距離が1.9kmで片道約60分のコースです。
七曲り登山道は岐阜公園を出て、公道を少し歩いたところに登山口があります。
舗装された道をしばらく歩くと、山道に変化しました。山道に変化しても、登山道はよく整備され勾配も緩やかなため、楽しく山歩きができます。
気持ちよく坂道を歩いていると、岐阜城と岩戸公園の分岐に差し掛かりました。この分岐を岐阜城へ向かってすすみます。
分岐から20分ほど歩くと、ぎふ金華山リス村に着きました。
リス村はかわいいリスとふれあい体験のできる施設です。リス村のすぐ上には金華山ロープウェーの山頂駅があります。
山頂駅を越えて、さらに登るとフォルムの美しい岐阜城の天守閣があらわれました。
岐阜城の中に入るには、大人200円、子供100円の入場料がかかります。
岐阜城の天守閣には織田信長も眺めたであろう、尾張と美濃を一望できる360°の大パノラマが広がっています。
岐阜城でしばらく休憩をとったあと、七曲り登山道をピストンで下山しました。
金華山の鏡岩緑地駐車場情報
標高 | 17m |
駐車場の台数 | 279台 |
駐車料金 | 無料 |
トイレの有無 | あり |
登山ポストの有無 | なし |
金華山登山口周辺にはいくつか駐車場がありますが、長良川河川敷にある鏡岩緑地駐車場は、登山者が利用できる無料駐車場です。駐車スペースが279台ある駐車場ですが、週末は観光客も訪れるため、満車になることがあります。
金華山で先人たちの名言に触れながら登る|めい想の小径
①めい想の小径登山口→1時間→②岐阜城(金華山)→2時間分→③めい想の小径登山口(休憩1時間10分含む)
必要日数 | 日帰り登山 |
総コースタイム | 3時間(休憩1時間10分含む) |
距離 | 3.7km |
累積標高 | 404m |
難易度 | ★★☆☆☆ |
めい想の小径のスタート地点は岐阜公園です。
めい想の小径は登山口か山頂までの距離2.3km、所要時間60分のコースです。
めい想の小径には登山道のいたるところに、人生について考えさせられるような名言の看板が設置されています。シラーやパスカル、魯迅などの偉人たちの名言を読みながら、楽しく登山ができます。
緩やかな登り坂をすすむと、馬の背登山道との分岐点が現れました。馬の背は難易度の高い健脚コースで、今回は馬の背は通らず、そのままめい想の小径を通って山頂を目指します。
分岐点以降もめい想の小径は勾配の緩い穏やかな坂道が続き、ところどころに名言の看板が立っています。
めい想の小径には、木々の隙間から美しい景色が眺められるビュースポットが点在していました。
めい想の小径は山頂に近づくにつれ、坂道がキツくなってきます。それを乗り越えて、登り坂をすすむと岐阜城の天守閣があらわれ山頂に到着です。
岐阜城で絶景を楽しんだあと、めい想の小径を使って下山しました。
金華山の堤外駐車場情報
標高 | 17m |
駐車場の台数 | 143台 |
駐車料金 | 310円/日 |
トイレの有無 | あり |
登山ポストの有無 | なし |
堤外駐車場は有料駐車場ですが、岐阜公園からの距離が近く便利な駐車場です。駐車場の営業時間は8:30〜21:00です。
登山ポストはないので、登山計画書は岐阜県警察本部に郵送、FAX(058-274-0698)で提出するか、交番に持参か郵送、またはCompassで申請してください。
金華山でアルプスの疑似体験ができる|馬の背登山道
①めい想の小径登山口→40分→②金華山→1時間20分→③めい想の小径登山口
必要日数 | 日帰り登山 |
総コースタイム | 2時間(休憩時間40分含む) |
距離 | 3.1km |
累積標高 | 418m |
難易度 | ★★★☆☆ |
馬の背登山道は金華山でもっとも難易度の高いコースです。
馬の背登山道は途中までめい想の小道と同じルートを通ります。
馬の背コースを通って山頂を目指す場合の所要時間は約40分です。急登を登る場所があるため、その分距離は短くなり、他のコースよりも短い時間で登頂できます。
岐阜公園の登山口から20分ほどで、馬乗せ登山道の分岐点に到着しました。馬の背コースの起点には「老人・幼児には無理です」と書かれた注意喚起の看板があります。今回は、上級者向けの馬の背登山道にチャレンジします。
馬の背登山道に入って10分の地点から、岩場の急登があらわれました。
かなりきつい勾配なので、滑落しないように細心の注意が必要です。
さらにコースには、木の根が張り出した滑りやすい危険な場所もあります。
馬の背コースの岩や木の根の崖は、アルプスを疑似体験できます。
険しい坂を登り切ると岐阜城の天守閣があらわれました。金華山山頂から長良川や広大な濃尾平野を望むと、美しい景色に登山の疲労が一気に吹き飛びます。
山頂からの絶景を満喫したあと、復路はめい想の小径で下山しました。
金華山の堤外第2駐車場情報
標高 | 17m |
駐車場の台数 | 35台 |
駐車料金 | 310円/日 |
トイレの有無 | あり |
登山ポストの有無 | なし |
堤外駐車場が止められないときは、堤外第2駐車場を利用してください。駐車場の営業時間は8:30〜21:00です。駐車場の営業時間前に登山を開始する場合は、長良川河川敷の鏡岩緑地駐車場を利用するとよいでしょう。
金華山のQ&A
金華山についての質問は、これから登ってみたいと思っている初心者の方から多くいただいています。
Q.金華山に登ろうと思っていますが、登山口から山頂までのコースタイムはどれくらいですか?
金華山の登山口から山頂までのコースタイムは40〜60分です。急登のある馬の背登山道は約40分、めい想の小径が約50分、もっとも傾斜の緩い七曲り登山道が約60分です。
Q.初心者でも金華山に登ることは可能ですか?
A.初心者でも金華山に登ることは可能です。金華山で初心者におすすめなのは、七曲り登山道とめい想の小径です。その中でも七曲り登山道は傾斜の緩い坂道が続くコースなので、初心者や子ども連れでも安心して登れます。
Q.金華山は犬を連れて登れますか?
A.金華山は犬を連れて登れます。しかし、登山道ではしっかりリードに繋いで登ってください。山頂の岐阜城にペットと一緒に入場することも可能ですが、このときはペット用のかごに入れることが条件です。また、ロープウェーに乗車するときも、ペット用のカゴが必要です。ロープウェーにペットが乗車する場合は、料金が片道200円かかります。ロープウェーの駅で、ペット用のカゴを借りることも可能です。
金華山の登山口アクセス情報
金華山の登山口は岐阜公園にあります。岐阜公園は登山者が使える広い駐車場があるため、車でのアクセスが便利です。公共交通機関でのアクセスは、電車とバスを乗り継ぐ必要があります。
金華山の岐阜公園への車でのアクセス
岐阜公園の最寄りICは岐南ICです。岐南ICから岐阜公園までの距離は8.3km、所要時間は約13分です。
岐南ICから国道156号に入り、県道77号から岐阜市街方面へ出ます。迂回大橋南西交差点を左折して県道287号に入り、左折すると到着です。
金華山の岐阜公園への公共交通機関でのアクセス
最寄り駅の名鉄新岐阜駅から岐阜公園まで、バスで約16分です。
新岐阜駅から山県バスターミナル行きに乗り、岐阜公園歴史博物館前バス停で降車します。バス停から岐阜公園までは徒歩3分です。
金華山の七曲り登山口へのアクセス
岐阜公園から七曲り登山口へは距離200mで徒歩約3分です。
金華山のめい想の小道と馬の背登山道の登山口へのアクセス
金華山のめい想の小道と馬の背登山道の登山口は、岐阜公園内にあります。
金華山のおすすめ山旅スポット
金華山のある岐阜市は、さまざまなご当地グルメがあることで有名です。岐阜のご当地グルメを食べられるスポットを中心に紹介します。
金華山のおすすめ山旅スポット|金華山展望レストラン・ポン・ドゥ・シェル
金華山展望レストラン・ポン・ドゥ・シェルは岐阜の街を眺めながら食事のできるレストランです。おすすめのメニューは、牛すじと豚ホルモンを味噌でじっくり煮込んだ信長どて丼です。赤味噌とみりんを使った味付けは、東海地方以外の方には新鮮に感じられるでしょう。
金華山山頂まで登ったら、岐阜市のB級グルメフェスティバルでグランプリを獲得した信長どて丼をぜひ味わってください
金華山のおすすめ山旅スポット|更科
更科は岐阜市にある創業95年の老舗蕎麦店です。更科のおすすめメニューは冷やしたぬきです。更科の蕎麦は自家製で、冷やしたぬきは専用の甘辛いつゆで食べさせてくれます。たぬき蕎麦といっても、天かすだけでなく油揚げも一緒に入っています。
注文してから、客を待たせないのが更科のモットーで、最短10秒で冷やしたぬきが出てきます。冷やしたぬきは蕎麦とつゆの絡みがよく、サクサクの天かすとジューシーな油揚げのコラボレーションを楽しめます。
金華山のおすすめ山旅スポット|六条温泉 喜多の湯
金華山で登山を楽しんだあとは、六条温泉 喜多の湯に入って、体の疲労をとってください。六条温泉は人工温泉ですが、泉質はアルカリ性単純温泉で美肌効果があるといわれています。
無色透明の柔らかいお湯は芯から体を温めてくれて、肌に潤いを与えてくれます。美人の湯として名高い六条温泉 喜多の湯で癒やしと美肌を手に入れてください。
金華山は自分のレベルにあった登山ルートで楽しみましょう
金華山は標高400mに満たない低山ですが、麓から山頂まで魅力の詰まった山です。登山ルートは初級から上級までさまざまな難易度があり、自分の実力に合わせて選択できます。金華山は市街地に近い山ですが、手付かずのまま自然が残されており、かわいい野生動物との遭遇も期待できます。
1年を通して登山を楽しめますが、冬季の登山では低山だと侮らずに、万全な装備で楽しんでください。