モンベルのスペリオダウンパンツはモンベルのダウンパンツの中で最も軽量なモデルです。対してU.L.サーマラップパンツは軽量な化繊綿パンツです。どちらもそれぞれ特徴的な素材とデザインで上手に使い分けることで暖かく登山を楽しむことができます。
今回はそれぞれのインシュレーションパンツのスペックと素材を紹介し、共通した使いやすいデザイン、どのように使い分ければ良いか紹介をします。
インシュレーションパンツのスペックと素材
スペリオダウンパンツとU.L.サーマラップパンツのそれぞれのスペックを紹介します。
スペリオダウンパンツ
- シェル素材:20デニールのバリスティックエアライト®ナイロン・リップストップ
- 中綿:800フィルパワー・EXダウン
- 平均重量:226g(Men's)
U.L.サーマラップパンツ
- シェル素材:15デニール・バリスティック エアライト®ナイロン・リップストップ
- 中綿:ストレッチエクセロフト
- 平均重量:207g(男女兼用)
このようにスペックを比べてみるとシェル素材はU.L.サーマラップパンツが5デニール薄く、それぞれ中綿の違いもあり約20g、U.L.サーマラップパンツが軽量です。
スペリオダウンパンツに使用されているダウンは800フィルパワーのEXダウンで一般的な550フィルパワーのダウンと比較すると30%保温性能が高いと紹介されています。
またモンベル独自のキルティングパターンが採用されており、部分部分でキルティングによるコールドスポットが起きにくく、また中綿の偏りも防いでいます。
U.L.サーマラップパンツに使用されている中綿はストレッチエクセロフトと呼ばれるストレッチ性を備えたコイルスプリング状の繊維を組み合わせた構造を備えています。
このコイルスプリング状の繊維がエクセロフトに複雑に絡み合うことで熱の動きを遮断してデッドエアを多く蓄え保温性を高めています。また少ない繊維量で軽量化にも優れた中綿です。
共通した使いやすいデザイン
モンベルのインシュレーションパンツに共通したデザインの一つにポケットがあります。スペリオダウンパンツにもU.L.サーマラップパンツにもジッパー付きのハンドウォーマーポケットが備わっています。
休憩中に手を温めたい時、低山であればホッカイロなどを入れておくこともできます。
またどちらにもスナップボタンとフロントジッパーが備わっており脱ぎ履きがしやすいのも特徴です。また用を足す時に男性の場合はジッパーが付いているので何かと便利です。
フィット調整はウエストに設けられたストレッチバンドとコードによって調整することができます。
裾の部分には「サムエシステム」と呼ばれるゴムがあり、足首に固定することで、すそのばたつきを抑えることができます。また丈が長くて裾が余ってしまう時に活用して調整が可能です。使用方法は非常に簡単です。
- 引き出したゴムを180°ねじって輪をつくります。
- つま先をゴムの輪にくぐらせて足首で留めます。
インシュレーションパンツの使い分け
スペリオダウンパンツは中綿素材がダウンなのでU.L.サーマラップパンツの中綿「ストレッチエクセロフト」と比べると濡れに弱い特徴があります。濡れに弱いながらも重量に対しての保温力が優れているので休憩中に下半身をしっかり温めてくれます。
U.L.サーマラップパンツの中綿「ストレッチエクセロフト」は耐久性と保温性と伸縮性に優れ、かつ濡れても保温力を失いづらいので、保温着としても使えるし行動着としても使える汎用性の高さが魅力です。
着用した状態で足を上げたり、屈んだりしても突っ張ることが少なく動きやすいので厳冬期における行動着としても活用できます。
また行動着として着用した時に汗で濡れたり、雪で濡れたりしても保温力が失われづらいので安心して使用できます。これは3シーズンの縦走登山などで雨に降られる可能性が高い時にも保温着として安心感が高いのも魅力の一つです。
メンテナンスのしやすさもU.L.サーマラップパンツは洗濯機で洗った後にそのまま乾かすだけなので非常に楽です。
サイズ感について
Mサイズは165〜175cm、ウエストは76〜81cm、股の長さが74〜79cmが適応サイズです。シルエットはすっきりとした印象です。
付属のスタッフバッグに収納するとスペリオダウンパンツは∅11×17cm、U.L.サーマラップパンツは∅12×20cmで、U.L.サーマラップパンツのほうが軽量ですがコンパクト性能はダウンの方が高いことが分かります。