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登山装備を軽量化する目的は、登山中の体の負担を軽減することです。登山装備が重いと、体力を使う、汗をかきやすくなる、自分の体力に合っていない重量の場合は転倒のリスクが増えるなど、余裕がない登山になってしまいます。装備を軽量化することで安全かつマイペースに登山を楽しむことが可能です。今回の動画では確実且つ賢く装備の軽量化をするために考えるべきことをステップごとで紹介をしていきます。

装備の軽量化を行うメリット

まずはじめになぜ軽量化を行うかということを整理しておきましょう。軽量化を行うメリットは
  • 体力が奪われづらい
  • 歩行距離が伸ばせる
  • 安定した歩行が行える
  • ザックのコンパクト化で歩きやすい=危険回避

などが挙げられます。軽量化によって今まで諦めていた登山に挑戦できるかもしれません。登山小屋泊からテント泊に移行する際の助けになるかもしれません。軽量化を行うことでリスクヘッジにつながる可能性が高まります。ここで注意が必要なのは軽量という優先順位を上げすぎて、本来必要な機能が損なわれてしまい、結果リスクをとってしまうという点です。寒すぎて低体温症になりかけたとか、就寝が損なわれたとか、そうならないように正しいステップを踏んで、効果的な軽量化を行うことを心がけましょう。

登山装備軽量化までのステップ

  1. 軽量化の種類を知る
  2. 自分にとって快適と不快を理解する
  3. 装備を分類する
  4. 装備重量を調べる
  5. 必要のないものを省く
  6. より軽量なモデルに変える

6つのステップで賢く確実に登山装備の軽量化をしていきましょう。最初の2ステップは装備の軽量化の種類を知り、周りの意見に流されない自分にとっての軽量化について理解します。得た情報を元にして3ステップからが実践編となります。

ステップ1:軽量化の種類を知る

登山装備の軽量化には2種類の方法があると考えています。
  • 必要のないものを省く
  • より軽量なモデルに変える

例えば登山で寒くないか不安でフリースやダウンジャケットを持っていっている場合、過去の登山を振り返って、ダウンジャケット1つで事足りるならばフリースを省くことができます。例えば、エマージェンシーキットとしてツェルトを装備に加えている場合、テントがあればこと足りるのではないかと考えればツェルトを省くことができます。軽量化というと重いものから軽いものに変えると思いがちですが、それだけでは無いことを知りましょう。

ステップ2:自分にとって快適と不快を理解する

シングルウォールテントは、ダブルウォールテントに比べて不快であるとか、クローズドセルマットよりもエアマットの方が寝心地が良いから就寝の質が上がるといったような情報に流されていませんか?自分にとって本来は不快と思わないのにもかかわらず、周りの情報に流されて、それが不快と解釈してしまうと、そのカテゴリーにおいての軽量化がストップしてしまいます。

ステップ3:装備を分類する

装備を並べる

いつも登山で持ち歩いている装備を分類してみましょう。レインウェアや防寒着などのウェア類、テント泊装備などの停滞時に使用する道具、食事に使用する道具というようにカテゴリで分けていきましょう。次に並べた装備の中から、登山に持っていっているけれども全く使っていないものと、よく使うものを分けます。

  • スタッキングされたクッカーを持ち歩いていたけれどもその1つは全く使っていなかった
  • 寒さが不安でフリースを持ち歩いていたけれども、いつもダウンジャケットだけで寒さをしのいでいた
  • フォーク、スプーン、ナイフのカトラリーセットを持ち歩いているけどナイフを使ったことはない
装備を分ける
クッカーとストーブをばらしてみて使っていないものをリストアップ
使っていないアイテムを省いたら、これだけになった
使っていないアイテムを省いたら、これだけになった
使っていないアイテムの重量を量ったら230g
使っていないアイテムの重量を量ったら230g

ステップ4:装備重量を調べる

上のアイテムは省ける防寒アイテム 下のアイテムだけあれば事足りると判断

並べる・分ける・選ぶのステップで必須装備と決めたアイテムの重量を量ってみましょう。重量を測る際、テントペグやグランドシートなどもひとつひとつ丁寧にリストアップします。

テント泊装備

カテゴリアイテム重量
テントヒルバーグ・ソウロ2,400g
グランドシートタイベックス225g
ペグヒルバーグ・Vペグ11g/1本
シュラフマウンテン・ハイパーラミナスパーク740g
サーマレスト・エアヘッドライトピロー79g
就寝防寒コクーン・マミーライナー120g
就寝防寒SOL・エスケープライトヴィヴィ156g
テントマットサーマレスト・ネオエアーXサーモ430g

防寒着リスト

カテゴリアイテム重量
ダウンジャケットRab・インフィニティージャケット366g
ダウンパンツマウンテンイクイップメント・パウダーパンツ213g
フリースサロモン・ラディアントフルジップ331g

レインウェアリスト

カテゴリアイテム重量
レインジャケットノースフェイス・ストライクトレイルフーディ110g
レインパンツノースフェイス・ストライクトレイルパンツ125g

グローブリスト

カテゴリアイテム重量
保護グローブTEMRES・11craftsman60g
レイングローブTEMRES・03advance70g
防寒グローブエクストリミティーズ・シニータッチグローブ66g

電気機器リスト

カテゴリアイテム重量
ヘッドライトレッドレンザー・MH594g
ランタンUCO・ランタンミニ104g
ハンドライトジェントス・閃102g
スマホGoogle・Pixel3a147g
モバイルバッテリーアンカー・パワーコア10000180g

安全装備リスト

カテゴリアイテム重量
ファーストエイド色々287g
プラティパスの水筒プラティパス・容量2L40g
水筒オスプレイ・スポーツボトル60g
サングラスオズニス・フラット10100g
地図山と高原地図33g
マスクシートゥーサミット・バリアフェイスマスク
+山旅X-PACマスクケース
18g
多機能バンダナTerritoryRunCo.・TERRITORYRUNHEADWRAP36g
トイレットペーパージップロックに必要な分のトイレットペーパーを入れる17g
帽子サンデーアフタヌーン・ウルトラアドベンチャーハット74g

重量を量ると重い荷物が一目瞭然で、重い荷物ほど次のステップ『装備を変える』の優先候補になります。重い荷物を量ってから、改めて本当にこの荷物が必要なのかと考えることが重要です。装備を並べて分けて選んでも、まだなお心配が抜けずに不必要なものを選んでいる可能性があるので改めてここで考えなおしましょう。ここで重要なのは重いから持ち歩いてはいけないということではありません。自分にとって快適を犠牲にしてつまらない登山になっていないかを考えることが重要です。例えば、快適にテント生活を送るために持ち歩いていたサンダルがあるとします。トレイルランニングシューズを履いて登山をするなら、靴紐を緩めるだけで開放感を得ることができるのでサンダルが不必要になるかもしれません。

レインウェアや防寒着、シュラフなどは保温性によって命を守る重要な道具です。なので標高、季節、山の場所、天気の状態と一緒に考え、軽量化する必要があります。

ステップ5:必要のないものを省く

バックパックの雨蓋はレインカバーがあるのならば雨蓋を省いて軽量化を行うことができます。フリースとダウンジャケットを防寒着として持ち歩いている場合はダウンジャケットのみで事足りるか吟味してフリースを省くことができるかもしれません。

安全と思って持ち歩いているツエルトやエマージェンシーブランケットなどテントのフライシートを使えば良いのではないか?など吟味していくと省くことができる道具が明確になります。

ステップ6:より軽量なモデルに変える

軽量なモデルに変える装備候補の優先順位を決めるために、装備重量一覧に買い換える装備名、価格、重量、買い換えることによって生じる重量の差を追加します。
※以下の表にある『買い換え候補』は、2023年時点の価格なのであくまで参考です。

テント泊装備

※横スクロールで表がスクロールできます。
カテゴリアイテム重量買い換え候補価格重量重量差1gあたりコスト
テントヒルバーグ・ソウロ2,400gNEMO・ホーネットストーム1p¥46,200760g1,640g¥28
グランドシートヒルバーグ・グランドシート225gタイベックス¥2,106130g95g¥22
ペグヒルバーグ・Vペグ11g×6本
=66g
バーゴ・チタニウムウルトラライトステイク¥550×6本
=¥3,300
7g×6本
=42g
24g¥137
シュラフマウンテン・ハイパーラミナスパーク740gシートゥーサミット・スパークSP1¥30,250350g390g¥77

防寒着リスト

※横スクロールで表がスクロールできます。
カテゴリアイテム重量買い換え候補価格重量重量差1gあたりコスト
ダウンジャケットRab・インフィニティージャケット366gアークテリクス・セリウムSLフーディー¥48,400216g150g¥322

重量差が出たら重量を価格で割ることで1gあたりのコスト(上の表、一番右)が一目瞭然になります。このコストパフォーマンス順で買い換える優先順位をつけるとインパクトのある軽量化が行えます。お金に余裕がある人は、装備の重量差だけで購入する商品の優先順位をつけると、より軽量化インパクトが高まります。

バックパックやテント、シュラフなどは大幅な軽量化を行えますが、例えば100gの軽量化に数万円支払うことになると考えた場合にそれが自分にとって価値あることなのかを吟味するようにしましょう。

レインウェアの軽量化は注意しよう

レインウェアの軽量化は注意が必要です。風速1mで体感温度が1度下がるので、寒い季節に薄手のレインジャケットで縦走登山をするのは危険です。この場合は重量を優先順位にするのではなく耐候性を重視したレインウェアを持ち歩くべきです。低体温症のリスクが生じるのでシーンに合わせたレインジャケットの携行をするようにしましょう。

お湯は何ミリリットル必要ですか?

手料理を楽しみたい場合はアルミのクッカーでガスストーブが便利ですが、お湯や水を使った山ごはんにするならば、以下の方法が考えられます。

  • 燃料を固形燃料に変える
  • 必要なお湯の量を理解して、大きなクッカーから小さなクッカーに変える
  • 料理をする必要がないからアルミではなく、チタン製の軽量のモデルに変える

また、クッカーの大きさにも目を向けてみましょう。例えば、アルファ米で160ミリリットル、フリーズドライのスープに160ミリリットル、合計で320ミリリットルのお湯が必要なのにもかかわらず、600ミリリットルのアルミ製のクッカーを持っている場合は、例えば400ミリリットルのチタンクッカーに変えるなどして軽量化を行うことができます。

さらには、夏山登山でお湯は必要がないと考えれば、クッカーも燃料も省くことができるかもしれません。この方法は、ある程度の山に熟練した方が実行する方法だと思います。

番外編:まとめる・交換(変更)する

まとめることによる軽量化方法はいくつか存在します。まずはスタッフバッグです。細かくアイテムを分ける為にたくさんのスタッフバッグやポーチを使っている場合、それらをひとまとめにすることで軽量化が行えます。

使用しているスタッフバッグの総重量150g馬鹿にできない数値だ

この時に使用するスタッフバッグが防水性のものであれば、レインカバーを省くことができます。ザックが保水する生地で作られている場合は雨が降って重くなってしまうので、その場合はレインカバーは持ち歩きましょう。

次に枕です。テント泊装備で枕を持ち歩いていましたが、スタッフバッグと兼用になるアイテムを導入し一石二鳥になって軽量化が実現します。

枕は枕以外に使用できない。スタッフバッグ兼用のアイテムを導入

ガイラインを細くすることで自在もコンパクトにすることができます。ガイラインに限らずザックに取り付けられているドローコードや、コードロックもみなすことで積み重ねによる軽量化が実現できます。ここで注意が必要なのはグローブをした状態で使用しやすいかという点です。特に寒い時期においてコードロックを小さくしたことでグローブを外さなければいけないということも念頭に置いておきましょう。

上は2mm、下は3mmのガイラインで、自在も変えることで軽量化が行える

次にランタンです。ヘッドライトをランタン代わりに使用します。地面に置く場合は、ヘッドライトの上に水の入ったプラティパスを乗せればランタンになります。

またDCF(ダイニーマ・キューベンファイバー)製のクッカー収納袋にヘッドライトを入れるとランタンになるアイテムが山旅から出ていて、これがかなり使えます。テント内にぶら下げることもできるので様々なシーンで活用できます。

ハンドライトとLEDランタンを省く
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