今回紹介するサロモンのレインジャケットとパンツは透湿性40,000g/㎡・24時間以上を実現し、他のメーカーと比較しても非常に購入しやすい価格で、圧倒的なコストパフォーマンスと尖った機能性で3シーズン快適な登山を楽しむことができるアイテムです。
今回はサロモンのアウターパスコレクションの中でも、僕個人的に特におすすめしたいレインジャケット『アウターパスPRO2.5レイヤー』とパンツの『アウターパス2.5レイヤーパンツ』のスペックと、登山やファストハイクなどのハードなアクティビティでの着心地の良さをデザイン含めて紹介をしていきます。
アウターパスPRO2.5レイヤーのスペック
高温多湿な日本の気候で登山を楽しむ際、最も頭を悩ませるのが、高い気温とジメジメした湿度の高い環境下で雨に降られ、レインジャケットとパンツを着用し汗をかいてしまうことです。雨によってベースレイヤーやミドルレイヤーを濡らさないようにレインウェアを着用しても、汗をかいてベースレイヤーを濡らしてしまっては意味がありません。
だから3シーズンの中でも暖かい季節の日本で登山を楽しむならば、高い透湿性を備えたレインジャケットとパンツを選ぶことで発汗を抑えることができます。
今回紹介するサロモンのレインウェア『アウターパスPRO2.5レイヤー』は、40,000g/㎡・24時間以上という、様々なメーカーのレインウェアと比較しても高い透湿性を備えています。素材はサロモンが開発した『ADV-SKINDRYbreathe』と呼ばれる2.5レイヤーで軽量かつしなやかな着心地が特徴です。
そしてなんとこの素材はストレッチをします。だから手をあげる、手を伸ばす、足を上げるなどのダイナミックな動きに全く突っ張り感がなく、これが理由で実際の重量より非常に軽く感じる、軽やかな着心地を提供してくれます。
裏地を指でなぞると少し凹凸を感じることができ、これによってTシャツや短パンなどの上からレインウェアを着用しても肌に吸い付きづらくドライ感が持続します。
表生地は40デニールのリップストップナイロンで耐久性に優れ、非常に動きやすい立体裁断が施されています。表生地が40デニールあるので、高所登山でも3シーズンフルに使える汎用性の高さが魅力です。そして耐水圧10,000㎜以上で、ジャケットはメンズタイプが平均重量で358g、ウィメンズタイプが350gです。パンツはメンズタイプが237gで、ウィメンズタイプが247gです。
3シーズンフルで使用することができるレインジャケットとパンツにしては非常に軽量です。より軽量なレインジャケットも様々なメーカーから販売されていますが、是非表生地のデニール数をチェックしてみてください。この数値が低いことで、高所において風が強かったり気温が低いと急激に体が冷えてしまいます。
更に透湿性もチェックしてみてください。この数値が低いと今度は中低域において気温が高く樹林帯などを歩いていると風もないので、汗をかいて濡れてしまいます。
このように考えると40デニールの表生地があることによる安心感と汎用性の高さ、40,000g/㎡・24時間以上という透湿性による快適性と汎用性の高さが、非常に魅力的であることがわかると思います。
そして驚くことにこれだけの通気性と透湿性を備えたレインウェアにもかかわらずサロモンアウターパスPRO2.5レイヤージャケットが税込価格26,400円、サロモンアウターパスPRO2.5レイヤーパンツが税込価格15,400円と非常にコストパフォーマンスに優れています。
ハードなアクティビティでの着心地の良さ-ジャケット編
アウターパスPRO2.5レイヤージャケットもパンツもユニークなデザインで優れた通気性を兼ね備えています。この通気性の高さとハードなアクティビティにおいての着心地の良さについて紹介をしていきます。まず初めにジャケットから紹介します。
フードのデザイン
このフードがすごいのは、後頭部に設けられたコードを引っ張るだけで頭全体にフィットすることです。ヘルメット対応のフードの多くが、頭周囲の調整機構以外に、フードの側面部分もフィットする必要があるのですが、このジャケットはその必要がないんです。なぜこのようなことができるのか様々なシーンで着用してみて僕なりに思ったことは、柔らかな素材であるということと絶妙なフードの大きさを採用していること、また頭の形に沿うようにデザインされた立体裁断が決め手のように思います。
もう1つすごいのが採用しているコードロックと先端のプラスチックハードウェアです。見た目なんてことのないものなのですが、コードを引っ張るだけで素早くフィットさせることができ、緩めるのはコードロックのボタンを押すだけという、全て片手で完結させることができます。これは実際に雨の中を素早く行動してる時に、かなり使い心地が良くめちゃめちゃ気に入ってるポイントの一つです。
ピットジップ
このレインジャケットは高い通気性を兼ね備えていながら、ピットジップを備えています。そしてこのピットジップはダブルジッパーなんだけれども、ジッパーが閉まった状態にある時に、上部と下部にジッパータブが位置するデザインです。これによって腕側もしくは脇下側の通気確保を素早く行うことができ、開ける時にジッパーが重ならないので、開け閉めを容易に行うことができます。今後この形がスタンダードになる予感がします。
フロントジッパー
フロントジッパーはダブルジッパーで止水ファスナーです。雨が降った状態でフロントジッパーからの通気を確保したい時に、フロントジッパーをお腹の上あたりまで下げて、色が変わっているジャケット上部にはベルクロテープが備わっているのでこのテープを閉めてあげれば隙間から通気を確保することができます。
ハンドウォーマーポケット
さらに手を入れやすいハンドウォーマーポケットが左右に備え付けられ、ポケット内部はストレッチメッシュ素材なので、ハンドウォーマーポケットのジッパーを開けておくだけで通気を確保することができます。
フラップ付き胸ポケット
左胸にはナポレオンポケットが備えられポケット内部は仕切りが備えられたストレッチ性に優れたメッシュポケットが備えられています。またメッシュポケット上部にはカラビナフックが備えられているので、財布や鍵などの貴重品を引っ掛けておき、ポケットにしまうことができます。またスマートフォンの落下を防ぐためにストラップをポケット上部に引っ掛けておくことができます。
メッシュポケットはストレッチ性が高いのでスマートフォンを収納して固定しておくことが可能で、僕が持っているiPhone14Proを無理なくストレッチポケットの中に入れることができます。
ジッパーを開けると中身のものを手探りでなく目で見て確認できるので、例えばメッシュポケットに行動食を入れておけば、行動食の種類を目で見て確認してから手に取ることができます。
フィット調整
フィット調整においては裾の部分に左右2箇所コードロックが付いており、風が強く寒い時には裾からの冷気の侵入を素早く防ぐことができます。
袖口はベルクロテープで調整をすることができ、袖口は広く作られているので厚手のグローブをした状態で上からしっかりとフィット調整をすることができます。
サイズ感
身長180cm、体重65キロの僕が着用しているジャケットはMサイズで、少しゆったりとした着心地です。厚手のミドルレイヤーを着用しても動きやすいスタンダードフィットと呼ばれるシルエットを採用しています。レイヤリングをした時にも裏地がさらっとしているので着心地が良いです。
ハードなアクティビティでの着心地の良さ-パンツ編
アウターパスPRO2.5レイヤーパンツはこのレインパンツは素材がストレッチしてくれるので、少しタイトなシルエットでも突っ張り感がないように作ることができます。このようにタイトで美しいシルエットなので、風のバタつきを抑えます。
裾の部分は内側に設けられたドローコードを調整することで、裾を絞ることができます。だから素早い行動時には足元を視認しやすく、また木や枝にレインパンツが引っかかるような心配も少ないデザインです。
このレインパンツの最大の特徴は左右ともサイドのダブルジッパーでパンツの前と後ろを取り外すことができることです。僕が知っている限りこのように分解できてしまうレインパンツは見たことがありません。このサイドのダブルジッパーを活用することで通気を確保することも可能です。
だからレインパンツを着用する時は登山靴を脱ぎ履きする必要がなく、またパンツに足を通す必要がないので、レインパンツが登山口の泥で汚れることもありません。トレイルランニングのようなシューズでも、ハイカットやミドルカットなどの登山靴でも気にすることなく脱ぎ履きが可能なレインパンツです。
着用する時はレインパンツをまたに通した後、まず初めに腰の部分に設けられたスナップボタンを留めます。その後ジッパーを閉め、裾の部分に設けられたスナップボタンを取り付けたら着用完了です。
普通に履く時はフロントジップとスナップボタンで着用しやすく、ウエストは腰の部分にゴムバンドが備わっておりウエストにフィットした作りです。
今回紹介したレインジャケットもパンツも、登山やトレイルランニングなどのアクティビティだけでなく、自転車通勤をする人にもとてもおすすめです。またシルエットも美しいので普段使いしたくなるデザインに仕上げているのも特徴です。
アウターパスPRO2.5レイヤージャケットとパンツ以外に、ジャケットにおいてはアウターパス2.5レイヤージャケットというポケットのないよりシンプルなモデルもあり、こちらはメンズ300g、ウィメンズ250gと更に軽いモデルです。