フリースとは
アウトドア業界とは縁もないモールデンミルズ社。パタゴニアの創設者イヴォンが訪ねて来たときは「この若者は毛布の生地を使ってなにをしようというのだろうか?」とびっくりしたという。このころはまだ、フリースという言葉は一般的でなく、イヴォンの思いつきによって革命がなされることは誰も知る由もなかった。しかしモールデンミルズ社3代目社長のアーレンは彼の申し入れを快く受け入れ、ポリエステル・バンディング(フェルトの化繊版ともいえるようなファブリック)を開発し、パタゴニアは、この素材でシンプルなプルオーバーを作り販売したところ、大好評を博し、パタゴニア社の主力商品となった。これをきっかけに、さらに開発をすすめ、更にソフトな肌触りで、ハードな使用にも毛玉になりづらく、両面起毛のポリエステル・フリースが誕生した。フリースはpolyethylene terephthalate というポリエステルの一種で作られた柔らかい起毛のある素材を指す。ポーラテックのフリースが登山ウェアでは最も知られておりこのポーラテックのフリースを最初に登山ウェアとして使ったのがパタゴニアというのは有名な話だ。フリースはその起毛仕上げによってデッドエアを蓄えやすく保温性が高いのが特徴だ。現在ではペットボトルの消費とリサイクル率の増加を背景にペットボトルを再生して作ったフリース製品が増加している。